ドイツ西部,ノルトライン・ウェストファーレン州ルール地域中部の都市。人口38万8179(2004)。ルール,エムシャーEmscher両川に挟まれた丘陵地にある。15世紀に都市法を獲得し,16世紀に石炭採掘が始まり,18世紀にはマルク鉱山行政のかなめとなったが,19世紀に至るまで農業都市的性格が強かった。深部採炭への移行開始(1832),泥灰岩貫通炭坑開発(1841),型鋼鋳造場設立(1842)等を契機にして急激な発展を開始し,石炭,鉄鋼,アンモニア,ベンゾール生産の一大中心地となった。しかし1950年代末以降の炭鉱危機によって産業構造転換を余儀なくされ,鉄鋼,機械,自動車(オペル),電機,合成樹脂,包装,醸造工業等への多様化が進んでいる。炭鉱博物館(1928設立)があり,65年にはルール大学(学生数約1万)が開設された。
執筆者:渡辺 尚
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ドイツ西部、ノルトライン・ウェストファーレン州、ルール地方の炭鉱・工業・大学都市。人口39万1100(2000)。ルール地方中部、エッセンとドルトムントの中間に位置する。ルール地方でもっとも多くの炭鉱をもち、1843年創設のボーフム製鋼連合が立地するとともに、金属、機械、化学などの工業が盛んである。第二次世界大戦により中世以来の旧市街は被害を受け、教会と街路だけが残り、中心商店街は戦後、その外に発達した。ルール炭鉱労働者組合や企業家の連合などがあり、ルール地方の石炭業従事者組織の中心の一つでもある。戦後、経済構造の多角化が図られ、炭鉱跡地にオペル自動車工場を誘致、ルール大学が新設(1965)されて復興した。鉱山学校、鉱山博物館がある。
[齋藤光格]
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