ロス海(読み)ロスカイ(英語表記)Ross Sea

デジタル大辞泉 「ロス海」の意味・読み・例文・類語

ロス‐かい【ロス海】

Ross Sea南極大陸の太平洋側の湾入部。南緯70~85度、東経165度~西経155度に位置し、南部ロス棚氷に覆われる。1841年、英国ジェームズ=ロス発見西岸ビクトリアランド東岸マリーバードランドがある。

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精選版 日本国語大辞典 「ロス海」の意味・読み・例文・類語

ロス‐かい【ロス海】

  1. ( ロスは[英語] Ross ) 南極大陸の太平洋側、マリーバードランドのコルベック岬とビクトリアランドのアデア岬の間に入り込む海。海底大部分大陸棚で、堆が多い。一八四一年イギリス人J=C=ロスが発見。→ロス[ 二 ]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロス海」の意味・わかりやすい解説

ロス海
ろすかい
Ross Sea

南極の南緯70~85度、東経165度~西経155度の間にある南極大陸へ入り込む海。南緯77度以南はロス棚氷(たなごおり)に覆われている。水深は大部分が1000メートル以浅で、大陸棚が発達している。大陸棚の外縁付近に水深300メートルのペンネル堆(たい)Pennell Bankなどがある。ロス棚氷下の水深は500~800メートル。底質は氷河堆積(たいせき)物がほとんどで、水温は2℃~零下2℃、塩分濃度は33.5~34.7。沖合いでは水温が0℃以上になるが、大陸棚の上ではほぼ零下2℃で、塩分濃度の変化も少ない。棚氷の氷縁付近では1~3ノットの西向きの流れがあり、南緯70度付近では0.5ノットと弱まる。1841年イギリスのジェームズ・ロスが発見、命名した。ロス海西部は夏に海氷が少なく、昔から多くの探検船が進入した。白瀬隊の開南丸もロス棚氷の氷縁沿いに東航し、開南湾、大隈(おおくま)湾を発見した。ロス海での捕鯨は激減したが、大陸棚の石油やガス資源が注目されている。

[楠 宏]


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改訂新版 世界大百科事典 「ロス海」の意味・わかりやすい解説

ロス海 (ロスかい)
Ross Sea

南極の南緯70°~85°,東経165°~西経155°の間にある南極大陸へ入り込む海。南緯77°以南はロス棚氷で覆われる。水深は1000m以浅が多く,大陸棚が発達し,大陸棚の外縁にペンネル堆Pennell Bank(水深300m)がある。ロス棚氷下の水深は500~800m。底質は氷河堆積物が多い。水温は+2~-2℃,塩分量は33.5~34.7‰。ロス棚氷の縁では50~150cm/sの西向きの海流があり,南緯70°付近では約30cm/sと弱まる。1841年1月イギリスのJ.C.ロスの率いたエレバス,テラーの両船による探検に始まり,多くの探検船がロス海の西部の東経180°付近を南下してロス棚氷に達している。日本の白瀬隊の開南丸もロス棚氷の氷縁に沿って東へ進み,氷縁に開南湾,大隈湾を発見した。南緯77°付近のロス島にはアメリカのマクマード基地ニュージーランドスコット基地がある。現在ロス海では大陸棚の石油や天然ガス資源が注目されている。
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百科事典マイペディア 「ロス海」の意味・わかりやすい解説

ロス海【ロスかい】

南極大陸の太平洋側にある湾入部。英語でRoss Sea。ビクトリアランドのアデア岬(東経170°15′)とエドワード7世半島のコルベック岬(西経158°10′)の間で,南緯77°以南はロス棚氷(ほうひょう)におおわれている。1841年J.C.ロスによって発見され,スコット,アムンゼンら多くの探検隊の拠点となった。南緯77°付近の東岸近くのロス島に米国のマクマード基地,ニュージーランドのスコット基地がある。
→関連項目エレバス[山]南極海

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ロス海」の意味・わかりやすい解説

ロス海
ロスかい
Ross Sea

南極大陸沿岸のほぼ東経170°~西経155°の海域ビクトリアランドマリーバードランドに挟まれた入江部であるが,奥部は広大なロス棚氷に覆われている。水深は大部分が 1000m以下である。各種の氷河堆積物が海底を覆っていて,そのほとんどが,以前陸上氷河中に包蔵されていたことを物語っている。海底堆積物の古地磁気学的データによると,氷河堆積物の最初の搬入は 500万年前にあったことがわかる。東から西へかなり強い沿岸流が流れ,夏季には海氷群が流され,大陸岸では最も接近が容易な部分である。沖合いは南氷洋捕鯨の中心域として重要であった。

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