日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワッフル」の意味・わかりやすい解説
ワッフル
わっふる
waffle
ワッフルはホットケーキ、グリルドケーキと同列のもので、ワッフル型という特製の焼き型で焼いた洋菓子の一種。フランスでゴーフルとよばれる。もともとはアメリカで朝食として用いられていたもので、専用の器具すなわち焼き型は鋳物製で、やや深めの凹凸があり、四つに仕切られている。油を塗った各仕切りの中に用意した材料を流し込み、蓋(ふた)をして焼く。この焼き型は、日本では大正初期にはまだ珍しく、当時は横浜で買うことができたという。現在では精巧な電気焼き型ができている。この器で焼いたワッフルは二つ折りにして、中にカスタードクリーム、ジャムなどを挟んで洋生菓子風につくられている。
作り方は、薄力粉(はくりきこ)にベーキングパウダーと塩を混ぜて二度ふるっておく。ボウルに卵黄と砂糖を泡立て器で混ぜ、蜂蜜(はちみつ)を加えてよく混ぜて牛乳を加える。別に卵白を泡立てて卵黄のほうへ混ぜ合わせ、ふるった小麦粉を2回に分けて入れる。生地(きじ)の状態は玉じゃくしで落として流れる程度にして、30分冷所で休ませてから焼く。焼けたら2枚あわせてジャムを挟むか、ぬれぶきんの上にとってジャムを塗り二つ折りにする。大衆に親しまれた味である。
[小林文子]