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アイヒェンドルフ Joseph Freiherr von Eichendorff

百科事典マイペディアの解説

アイヒェンドルフ

ドイツの後期ロマン派の詩人。シュレジエンプロイセン貴族の家に生まれ,熱心なカトリック教徒。天性の抒情詩人で,民謡の素朴さと敬虔(けいけん)な心情をたたえた作品はシューマン,H.ウォルフらの手で作曲されている。
→関連項目詩人の恋

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世界大百科事典 第2版の解説

アイヒェンドルフ【Joseph Freiherr von Eichendorff】

1788‐1857
ドイツの詩人,小説家。シュレジエンの南端にあったルボビッツの館に生まれる。貴族の出だが,父の死とともに土地を手放し,プロイセンの官吏となって生計を立てる一方,ドイツの自然や若者の心情をうたう抒情詩をつくり,後期ロマン派を代表する詩人となった。彼の詩は民謡風な素朴な表現によって自然の魅惑と放浪の心をうたっているが,詩句が呪文となって幻想の自然をよび出すと,無限の広がりを見せる。シューマンやH.ウォルフらの作曲によって不朽の芸術歌曲となった詩もあり,民謡として親しまれている詩もある。

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大辞林 第三版の解説

アイヒェンドルフ【Joseph von Eichendorff】

1788~1857) ドイツ後期ロマン派の詩人・小説家。平明な言葉で美しい抒情詩を書いた。小説「大理石像」「のらくら者の生活から」「予感と現在」など、著「ドイツ詩文学史」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アイヒェンドルフ
あいひぇんどるふ
Joseph von Eichendorff
(1788―1857)

ドイツ後期ロマン主義の詩人。上部シュレジアの古い貴族家系に生まれる。ハイデルベルク、ベルリン、ウィーンなどで、A・v・アルニム、C・ブレンターノ、F・シュレーゲルら多くのロマン派の人々と交わり、強い影響を受けた。しかし、ロマン主義者にありがちな過剰な自我意識におぼれる病的な性格は、彼の実生活にも作品にもほとんどみられない。1816年から28年間に及ぶプロイセン官吏としての実直な生活を営む一方、人々からは「ロマン主義の最後の騎士」と賞賛されたように、生活、文学両面において、志操堅固な自己抑制を心得た詩人であった。静かなカトリック的宗教感情のうちに内化させた自然体験を、簡潔でなじみやすい形象を使って歌う彼の叙情詩は、素朴で民謡に近く、また優れた音楽性が特徴である。シューマン、ウォルフらの作曲によっても広く親しまれている。しかし、彼の名を広め国民各層にもっとも愛読されているのは、中編『のらくら者の生活から』(1826)である。遠い世界へのあこがれと郷愁に揺られながら、気ままにさすらう若い主人公は、ロマンチックな生き方の一典型を示す。ほかに小説『予感と現在』(1815)や短編『大理石像』(1819)など散文数編がある。また、戯曲や17世紀スペインの劇作家カルデロンの翻訳、さらに宗教的文学観から晩年10年間には特異な文学史や戯曲論、小説論などをも手がけ、叙情詩人アイヒェンドルフの新たな一面をのぞかせている。[久保田功]
『川村二郎訳『のらくら者』(『筑摩世界文学大系77 ドイツ・ロマン派集』1963・筑摩書房・所収) ▽アイヒェンドルフ著、神品芳夫他訳『フリードリヒの遍歴』(1970・集英社) ▽石丸静雄著『予感と現在 詩人アイヒェンドルフの生涯』(1973・郁文堂)』

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