アカイエカ(読み)あかいえか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカイエカ」の意味・わかりやすい解説

アカイエカ
あかいえか / 赤家蚊
[学] Culex pipiens pallens

昆虫双翅(そうし)目長角亜目カ科に属する昆虫。北海道から本州、四国、九州に分布し、民家の周辺にもっとも普通にみられる。体長5.5ミリメートル内外の中形のカで、体色は赤褐色。雌は吸血性で、夜間に活動する。幼虫ボウフラ)は、どぶ、用水、肥料溜(だめ)など腐敗した水たまりに好んで発生する。本種の近似種にネッタイイエカC. pipiens quinquefasciatusがあり、これは小笠原(おがさわら)諸島琉球(りゅうきゅう)諸島、奄美(あまみ)諸島を含む全世界の亜熱帯熱帯に分布する。

倉橋 弘]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカイエカ」の意味・わかりやすい解説

アカイエカ
Culex pipiens pallens

双翅目カ科。体長 5.5mm内外,翅長 4.5mm内外。体色は赤褐色であるが,腹部背面は黒褐色で,第2~7の各節基部に黄白色の細い帯がある。肢は腿節脛節末端に細い白帯がある。夜間吸血性で,ヒト鳥類を好んで吸血する。日本全土に分布する最も普通のカで,下水,溝,貯水槽などに発生する。近縁のチカイエカ C. molestusは,形態的には本種に酷似していて区別が困難であるが,雌が吸血することなく産卵する。都市の下水などに発生する。 (→ , コガタアカイエカ )

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百科事典マイペディア 「アカイエカ」の意味・わかりやすい解説

アカイエカ

双翅(そうし)目カ科の昆虫の1種。体長5.5mm内外,暗黄褐色。幼虫は下水,水たまりなど汚水を好み,清水にはすまない。成虫は晩春から初秋にかけて現れ,夜間人畜を吸血するが,一部は成虫で越冬する。吸血に際し,日本脳炎やフィラリア症を媒介する。分布は日本全土,朝鮮,中国。→コガタアカイエカ
→関連項目イエカ

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改訂新版 世界大百科事典 「アカイエカ」の意味・わかりやすい解説

アカイエカ

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世界大百科事典(旧版)内のアカイエカの言及

【イエカ】より

…双翅目カ科イエカ属Culexに属する昆虫の総称。あるいはこのうちアカイエカ群を主体とする家屋内にふつうにいるカ(英名house mosquito)を指す。イエカ属は全世界で約700種,日本では約30種が知られている。…

※「アカイエカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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