アナスタシウス(1世)(読み)あなすたしうす(英語表記)Anastasius Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アナスタシウス(1世)
あなすたしうす
Anastasius Ⅰ
(431ころ―518)

ビザンティン帝国皇帝(在位491~518)。宮廷の守機密官であったが、ゼノン帝の死(491)後その妃アリアドネと結婚、60歳で皇帝に推挙された。賢帝の誉れ高く、税制改革や冗費の節約などにより、乱脈を極めていた財政を立て直し、またイサウリア人の反乱やブルガリア人の侵入を撃退、さらに異民族からの防衛のため、黒海からマルマラ海にかけて防壁を築いた。一方ササン朝ペルシアとの戦争を終結させ、内外の問題を抱えた帝国の再建に成功、後代のユスティニアヌス帝時代の栄光の基礎を築いた。しかし、宗教問題では単性説を支持、優遇したため国内反乱を招き、西方教会との対立を決定的なものにした。

[島 創平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例