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アナツバメ swiftlets

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アナツバメ
swiftlets

アマツバメアマツバメ科のヒマラヤアナツバメ属 Aerodramus,アナツバメ属 Collocalia などの鳥の総称。全長 9~17cm。およそ 30種からなる。黒褐色の羽色の種が多い。アマツバメ同様,空中を飛び回って昆虫類をとる。多くは山地や海岸の天井の高い洞窟内に集団繁殖し,天井や壁面にをつくる。巣は唾液と空中に浮遊している鳥の羽毛や軽い植物片を混ぜ合わせたもので,種によってはほぼ唾液だけでつくるものもある。この巣は中国料理の「燕窩」(ツバメの巣のスープ)に使われており,また東南アジアの一部の地方では媚薬としても用いられている。東南アジアや南太平洋の島々,オーストラリア北東部などに分布する。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アナツバメ

東南アジアから南太平洋にかけて分布。全長10~15センチで、唾液(だえき)を使って洞窟(どうくつ)の内壁に巣をつくる。マレーシア華人の間では、明の時代に鄭和マラッカ海峡の島に上陸した際に洞窟のツバメの巣を食べ、帰国後皇帝に献上して広まったとされている。

(2010-07-17 朝日新聞 朝刊 アジア)

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百科事典マイペディアの解説

アナツバメ

アマツバメ科アナツバメ属の鳥の総称。姿はツバメに似て,翼長12cm。背面は黒褐色下面灰褐色。中国南部,東南アジア,インド,オーストラリアに分布し,渡りはしない。

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世界大百科事典 第2版の解説

アナツバメ【cave swiftlet】

アマツバメ目アマツバメ科アナツバメ属Collocaliaに属する鳥の総称(イラスト)。多くは洞窟内で集団営巣するためこの名がある。ツバメの名はあるがスズメ目のツバメ類とは系統が異なる。東南アジアを中心にヒマラヤからオーストラリア北部まで分布する。このうちの数種の巣は,中国料理で燕窩(イエンウオ)(燕の巣)として食用に供されることで有名。ツバメ類が泥で巣をつくるのに対し,アマツバメ科の鳥は泥をまったく使わず,羽などを唾液で固めて巣をつくるが,とくにアナツバメ類の数種は繁殖期に唾腺が異常に発達し,粘性の高いのり状の唾液を多量に分泌して,ほとんどこれだけで巣をつくる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アナツバメ
あなつばめ / 穴燕
cave swiftlet

鳥綱アマツバメ目アマツバメ科アナツバメ属の鳥の総称。この属Collocaliaは小形のアマツバメよりなり、その巣は中華料理の高級なスープの材料となる。約16種があり、インドからオーストラリアまで分布する。全長9~17センチメートル。背面は一般に灰黒色ないし黒褐色で、下面も黒褐色のものが多い。洞穴の壁に群集して巣をつくり、サラワクのニアにあるグレート・ケイブGreat Caveには200万個の巣があるといわれている。ある種のアナツバメは、洞穴内での飛翔(ひしょう)に反響定位を用いる。ただし、アナツバメの出す音波は超音波ではなく、人間の可聴範囲である1.5~5.5キロヘルツと報告されている。スープ用の燕巣(えんそう)(燕窩(イエンウオ))は、ほとんど唾液(だえき)だけを固めたものが上等で、羽毛や植物片の多いものは下級品である。燕窩として採集されるのは、アナツバメ類のなかでも主としてマレーアナツバメC. fuciphagaとハシブトアナツバメC. maximaの巣で、主産地はサバ、サラワク、フィリピンなどである。[森岡弘之]

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世界大百科事典内のアナツバメの言及

【つばめの巣(燕の巣)】より

中国料理に用いられる材料の一種で,中国では燕窩,燕巣などと書きあらわされる。インド,インドネシア,マレー半島などの海に近い,外敵の近寄り難いような高い岩場につくられるアナツバメの巣を乾燥させたもので,湯にもどしてスープに用いる。巣は,ツバメの粘性の高いのり状の唾液でかためたものとされている。…

※「アナツバメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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