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アミール amīr

翻訳|amīr

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アミール
amīr

エミールと発音される場合が多い。軍事司令官,地方総督,王子を意味するアラビア語。初期イスラム時代にはアーミルと同義語であったが,ウマイヤ朝時代になると軍事・財政上の権限を兼有するようになり,法官を任命し,みずからの名で貨幣を鋳造するアミールも現れた。9世紀後半以降は北アフリカのアグラブ朝,エジプトのトゥールーン朝,イランのサーマン朝のようにアミールがアッバース朝国家に対する貢納を拒否して,次々と独立王朝を形成するようになった。なおセルジューク朝アイユーブ朝マムルーク朝では各階級の軍事司令官がアミールの名で呼ばれた。英語のアドミラル (提督) はこの語に由来する。

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世界大百科事典 第2版の解説

アミール【amīr】

アラビア語で〈司令官〉〈総督〉を意味し,転じてイスラム世界で支配者や王族の称号としても使われた。のちにペルシア語やトルコ語(エミールemīr)でも用いられた。はじめはイスラム教徒の集団の長に対して使われた。ウマル1世(第2代正統カリフ。在位634‐644)以降のカリフがアミール・アルムーミニーン(信徒たちのアミール)と呼ばれたのもその一例である。しかし,一般には正統カリフ時代から,軍隊の長,遠征軍の長の意味で使われた。

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世界大百科事典内のアミールの言及

【マムルーク朝】より

…安定した政権の下に農業生産は発展し,商品作物としてのサトウキビ栽培が普及するとともに,都市の織物業も目覚ましい繁栄ぶりを示し,これを基礎にカーリミー商人や奴隷商人がインド洋と地中海貿易に活躍した。しかし1347‐48年のペストの大流行によって都市と農村の人口は激減し,ナーシル没後は幼少の息子たちが相次いで即位したために,実権を握るアミールたちの抗争によって政局は混乱を極めた。 この機に乗じてチェルケス人マムルークのバルクークが政権を握り,ブルジー・マムルーク朝を開いたが,この時代のスルタンは家系によらず,有力アミールの選挙によって選ばれるのが慣例であったから,軍閥相互の勢力争いは一段と激しくなった。…

※「アミール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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