アラルコン(英語表記)Pedro Antonio de Alarcón

デジタル大辞泉 「アラルコン」の意味・読み・例文・類語

アラルコン(Pedro Antonio de Alarcón y Ariza)

[1833~1891]スペイン小説家地方色豊かな中・短編を得意とした。作「三角帽子」「醜聞」など。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「アラルコン」の意味・読み・例文・類語

アラルコン

(Pedro Antonio de Alarcón ペドロ=アントニオ=デ━) スペインの小説家。ユーモアに満ち、地方色豊かな短編を得意とした。「三角帽子」「醜聞」など。(一八三三‐九一

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「アラルコン」の意味・わかりやすい解説

アラルコン
Pedro Antonio de Alarcón
生没年:1833-91

スペインの作家。グラナダ県グアディス生れ。テンポの速い,地方色豊かな中・短編小説を得意とした。過激な評論家としてスタートしたが,決闘事件(1854)を契機に保守へ変節。《アフリカ戦争従軍記》(1860)や《マドリードからナポリへ》(1861)の紀行物を発表し,ロマン主義と決別。代表作《三角帽子》(1874)は《市長水車小屋おかみ》という古いロマンセ(伝承歌謡)にヒントを得たもので,気品と躍動感にあふれ,ロマンセを文学に高めた傑作である。木下順二の《赤い陣羽織》はこの作品を翻案したもの。長編小説のうちでは《醜聞》(1875)が最も反響を呼んだ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラルコン」の意味・わかりやすい解説

アラルコン
Alarcón, Pedro Antonio de

[生]1833.3.10. グアディス
[没]1891.7.10. バルデモロ
スペインの作家。代表作は民間に伝わる歌謡に取材し,アンダルシア農民代官の恋のさやあてを描いた短編『三角帽子』 El sombrero de tres picos (1874) で,のちにファリアによってオペラ化 (1919) された。ほかに小説『醜聞』 El escándalo (1875) ,『勇者』 El niño de la bola (80) ,モロッコ戦争参加の記録『アフリカ戦争従軍記』 Diario de un testigo de la guerra de África (59) 。

アラルコン

ルイス・デ・アラルコン」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「アラルコン」の意味・わかりやすい解説

アラルコン

スペインの小説家。過激な評論家として文学活動を始めたが,決闘事件を機に保守的になった。アンダルシアを舞台にした名作《三角帽子》で知られる。民間伝承に基づいたこの小説は,粉ひきルーカスの美しい妻フラスキータに言い寄る老町長を諷刺的に描いたもので,木下順二の《赤い陣羽織》はこれを翻案したものである。→三角帽子

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のアラルコンの言及

【スペイン文学】より

…その後,ベガの流れをくむすぐれた劇作家が輩出した。なかでも《セビリャの色事師と石の招客》によって,漁色放蕩の伝説的人物ドン・フアンを演劇の中に定着させ,それ以降各国で生まれることになる無数のドン・フアン劇の創始者となったティルソ・デ・モリーナ,《疑わしき真実》により17世紀フランス古典劇に影響を与えたルイス・デ・アラルコンが重要である。そして〈黄金世紀〉の棹尾(とうび)を飾る巨人がカルデロン・デ・ラ・バルカで,バロック期特有の凝った文体や舞台構成を用いた哲学的な《人生は夢》と平民の名誉を描いた《サラメアの村長》はスペイン演劇の最高峰に位置するものである。…

※「アラルコン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android