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アルコール中毒 アルコールちゅうどくalcoholism

翻訳|alcoholism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルコール中毒
アルコールちゅうどく
alcoholism

アルコール,ことにエタノールの飲用によって起る中毒。急性のアルコール中毒は短時間にアルコール飲料を多量に摂取した結果起る中毒症状であるが,これまで俗にアル中といわれていた疾患は,単なる中毒症状ではなく,薬物を摂取する心のあり方に問題の核心があることがわかってきた。そこで現在では「アルコール依存症」という用語が用いられている。急性アルコール中毒の場合は死にいたる場合もあるので,ただちに胃の内容物を吐かせ,保温をはかり,コーヒーや茶を大量に与えるなどの対策が必要である。大量のアルコールを継続的あるいは周期的に摂取している場合,次第に酒量が増加し,やがてやめることができなくなる。これをアルコール嗜癖または依存と呼ぶ。精神依存と身体依存とがある。アルコール摂取量を急に減らした際,焦燥感や空虚感に襲われる状態が前者で,後者は幻覚,けいれん発作,振戦せん妄 (→せん妄 ) などがみられる。やがてアルコール精神障害を示し,肝臓などの内臓障害,多発神経炎,脳症なども現れる。治療はアルコール依存の原因を除くことが必要で,単に禁酒だけを強制しても,またもとに戻ってしまうことが多い。

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デジタル大辞泉の解説

アルコール‐ちゅうどく【アルコール中毒】

多量の飲酒から生じるエチルアルコールの中毒。急性はアルコール飲料を一時に多量に飲んだときに起こり、人事不省糞尿(ふんにょう)の失禁、いびき、瞳孔(どうこう)散大などを呈し、死亡することもある。慢性はアルコール依存症といい、持続力・意志力などの衰え、肝臓の障害が生じ、禁断症状として手指のふるえや幻覚がみられる。アル中。

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百科事典マイペディアの解説

アルコール中毒【アルコールちゅうどく】

急性中毒の軽度のものは酩酊(めいてい)であるが,高度になると運動失調,言語障害,失禁,人事不省となり,時に卒中様死,戸外における凍死を招く。病的酩酊は,比較的飲量が少なくとも,苦痛,不安,激怒等が起こり,時に暴行,犯罪を犯すもので,健忘症を残すことがある。
→関連項目アルコール依存症アンタブス記憶障害ギャンブル依存症錯乱作話症心神耗弱中毒

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世界大百科事典 第2版の解説

アルコールちゅうどく【アルコール中毒 alcoholism】

アルコールの飲用によって精神ならびに身体の活動が障害された状態。一般にはエチルアルコールの飲用が問題とされるが,メチルアルコールによる場合もある。しかし,後者では急性中毒のみが対象となる。
[アルコール中毒とアルコール依存]
 エチルアルコールによる中毒は急性中毒と慢性中毒に分けられるが,最近では慢性中毒という用語はしだいに用いられなくなる傾向にある。それは,酒類に含まれるエチルアルコールを持続的に飲用し,その常用量を超えたり,異常な飲用を繰り返すに至ると(〈アルコール乱用〉),酒類の飲用を中止できなくなる状態になるが,それは急性中毒とは違った生体変化によると考えられるので,中毒症状とは区別して〈依存〉と呼ぶことがWHO専門委員会で提唱されたことに基づく。

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大辞林 第三版の解説

アルコールちゅうどく【アルコール中毒】

多量の飲酒に起因する中毒。急性と慢性とがあるが、普通は慢性中毒をさし、アルコール依存症ともいう。アル中。 → アルコール依存症

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルコール中毒
あるこーるちゅうどく

アルコーリズムalcoholismの訳語として慣用されてきた用語であるが、現在ではその内容の大部分がアルコール依存症という用語に移行されており、わずかに急性中毒としてのアルコール酩酊(めいてい)の同義語として扱われる急性アルコール中毒が残されているだけである。[加藤伸勝]

急性アルコール中毒

エチルアルコールまたはその含有飲料である酒類を一時的に飲用することによっておこる不適応行動、神経学的身体徴候、心理的変化が存在する場合をいう。社交的飲酒の範囲である軽度の変化は一般には含めない。なお、不適応行動とは、判断力の低下による暴行・わいせつ、社会的または職業的機能の障害をさす。身体徴候とは、顔面紅潮、舌もつれ、歩行障害、協同運動障害、眼振(眼球の律動的運動)などで、心理的変化とは、気分の変化、多弁、易刺激性、注意力の減弱などである。この状態は一般に酩酊とよばれる。
 酩酊は普通酩酊と異常酩酊に区別される。普通酩酊では、中毒症状を呈しても、その言動などが飲酒時の状況に応じて変化し、異質的な反応を呈することなく睡眠に移行するものである。異常酩酊では、その言動が周囲の状況から理解困難なほど激しいものであるが、その変化が量的なものである場合は複雑酩酊といい、その変化が質的なもので、せん妄(もう)またはもうろう状態など意識障害を伴う場合は病的酩酊という。病的酩酊は体質も関係し、一般に中毒を引き起こす量としては少量であるにもかかわらず急激かつ著明な行動変化を示すので、アルコール特異体質性中毒ともいう。また、ごく少量のアルコールで激しい頭痛や胃腸症状を示すものをアルコール不耐性という。酩酊の程度は血液中のアルコール濃度と比較的よく並行する。血液1デシリットル当り150ミリグラム以上のアルコールが証明されれば、70~80%の人は酩酊している。また、500ミリグラム以上では昏睡(こんすい)から死に至る。[加藤伸勝]

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