禁断症状(読み)きんだんしょうじょう(英語表記)abstinence symptoms; withdrawal symptoms

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

禁断症状
きんだんしょうじょう
abstinence symptoms; withdrawal symptoms

離脱症候群ともいう。アルコールやアヘン系鎮痛剤などのように向精神作用をもつ化学物質を常用すると,多くの場合,使用を中止しようと思ってもやめられなくなる。このように依存状態に陥ったあとで,その物質の使用量を急激に減少させたり,中止したりすると,不安,苦悶,頭痛,不眠,興奮,下痢嘔吐などの自律神経系症状,意識障害けいれん幻覚などが現れる。これを禁断症状と呼ぶ。 48時間以内に現れる早期症候群と,それ以後に現れて4日間ぐらい続く後期症候群に分けられる。

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百科事典マイペディアの解説

禁断症状【きんだんしょうじょう】

離脱症状ともいう。アルコール,モルヒネやコカイン等の麻薬,アモバルビタール等の睡眠剤などを習慣的に常用して,薬物に依存しなければならないような中毒に陥ったとき,これらの薬物を中止すると激烈な精神症状,身体症状が現れる。この一連の症状群を禁断症状という。薬物などを用いた身体環境に適応していた生体が,薬物の急激な減少によってバランスを失うことが原因とされ,精神症状としては不快感,不安感,頭痛苦悶(くもん),熱感,情緒不安定,疲労感,圧迫感,不眠,興奮など,身体症状としてはあくび,くしゃみ,吐き気,涙腺分泌過多,発汗,発熱,下痢,筋けいれんなどが認められ,激しい時は虚脱に陥り死亡する。
→関連項目アヘン中毒ヒロポン中毒麻薬中毒

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栄養・生化学辞典の解説

禁断症状

 離脱症状という言葉も使われる.常用している薬物やアルコールの摂取を停止したり急激に減量したりしたときに,身体的,精神的に異変を生じること.

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世界大百科事典 第2版の解説

きんだんしょうじょう【禁断症状 abstinence symptoms】

依存性薬物の慢性使用を急激に中断したときに現れる精神身体症状のこと。依存性薬物としては,モルヒネ,コカイン,アルコールおよびバルビツール酸誘導体,アンフェタミン,カンナビス,カート,幻覚剤(LSD,メスカリンなど),揮発性溶剤(シンナー,ボンド類)の8種類がある。このうち,モルヒネ,アルコール,バルビツール酸系薬物,これに準ずる鎮静剤や催眠剤,また精神安定剤の一部では,慢性的に乱用していて,突然に服薬中断をするか,減量することでも激しい禁断症状が現れる。

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大辞林 第三版の解説

きんだんしょうじょう【禁断症状】

〘医〙 アルコール・麻薬・覚醒剤・シンナーなどを常用し、慢性中毒状態となった者が、その摂取の中断によって起こす精神的・身体的症状。離脱症状。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

禁断症状
きんだんしょうじょう
abstinence symptoms

麻薬のような薬物を反復使用していると、耐性ができて使用量が増え、やめることができない状況(依存状態)になるが、その際に急に薬物摂取をやめると現れるのが禁断症状である。体内にある薬物が急に消失するために現れる症状といわれ、離脱症状、退薬症状ともいい、その薬物を与えると症状は軽減したり消失する。禁断症状はモルヒネなどの麻薬で強く現れ、その症状は自律神経の嵐(あらし)ともいわれる。すなわち、散瞳(さんどう)、あくび、流涙、流涎(りゅうえん)(よだれ)、発汗、下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、悪寒、発熱、心悸亢進(しんきこうしん)、不眠、筋けいれん、脱水症状などがみられ、苦しがって患者は薬を求める。麻薬中毒者は原則として麻薬の入手を絶ち、禁断症状に対する適切な処置を行うため、定められた病院に即時入院させて禁断療法を行う。
 今日では薬物の依存状態を物質によって次のように分類している。
(1)モルヒネ型依存(ヘロイン、モルヒネ、オピアルなど)では禁断症状が顕著である。
(2)バルビツール型依存(バルビツール系や非バルビツール系の睡眠薬、抗不安薬など)およびアルコール型依存では、禁断症状として不眠、不安、手指振戦(手指のふるえ)、せん妄、けいれん発作などがみられる。
その他の(3)コカイン型依存、(4)カンナビス(大麻)型依存、(5)アンフェタミン型依存、(6)幻覚(剤)型依存、(7)吸入剤型依存、(8)カート型依存(カートは東アフリカ一帯に生える灌木(かんぼく)で、その葉をかむと幻覚剤を用いたかのように興奮する作用がある)、(9)ニコチン型依存などでは、禁断症状はあまり目だたない。禁断症状は、精神的依存よりも身体的依存の強い薬物(前述の(1)と(2))に強く現れる。[保崎秀夫]

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