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アルタシャーストラ Arthaśāstra

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルタシャーストラ
Arthaśāstra

サンスクリット語で「実利の学」という意味。マウリヤ朝のチャンドラグプタ王 (在位前 317頃~296頃) の宰相カウティリヤ Kauṭilyaに帰せられる『カウティリヤ実利論』 Kauṭilīya-Arthaśāstraのみが有名で現存している。現存テキストはおそらく3世紀頃に編纂されたとされるが,カウティリヤ自身の言葉もかなり伝えられているという。同書は政治,外交,軍事の指導書で,「国王即国家」の主張に基づいている。いかにして領土を拡張し,国王の利益を増大するか,ということが作者の最大関心事であった。しばしばマキアベリの『君主論』と対比される。

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世界大百科事典 第2版の解説

アルタシャーストラ【Arthaśāstra】

古代インドの政治論書。《実利論》と訳される。古代のインド人は人生の3目的とされるアルタ(実利),カーマ(愛欲),ダルマ(聖法)のそれぞれについて多数の論書を著したが,これはその一つ。《アルタシャーストラ》諸文献のうち,カウティリヤ作と伝えられるものが特に名高い。この論書は実利こそ最も重要であるという立場から,王にとっての実利,すなわち領土の獲得と維持のための方策を論じたものである。全15章のうち第1~第5章は内政を扱った章で,王の義務,王に必要な教育,行政官の職務,民法,刑法,その他が論じられている。

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世界大百科事典内のアルタシャーストラの言及

【インド】より

…その1種は領土の獲得と統治の指導書で,行政,司法,外交,軍事の広範な問題について原理と具体的施策を示したものである。それらは今日ほとんど残っていないが,唯一の文献はマウリヤ帝国の宰相カウティリヤの著作と伝えられる《実利論(アルタシャーストラ)》で,諸論著を集大成した傑作である。他の1種はダルマ・シャーストラ(法典)とよばれ,宗教的義務や生活規範ばかりでなく,王の職務や法律を規定し,《マヌ法典》がその最も有名なものであり,《実利論》よりも後世に大きな影響を与えた。…

【カウティリヤ】より

…政治家としてのカウティリヤは,権謀術数を巧みに用いたことで知られる。彼の著作と伝えられる政治論書《アルタシャーストラ(実利論)》は,目的(領土の獲得と維持)のためには手段を選ばぬマキアベリ的な政治哲学に立って書かれている。しかし現存の書物は後3世紀ごろに編まれたものらしい。…

※「アルタシャーストラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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