アルタミラ洞窟(読み)アルタミラどうくつ(その他表記)Altamira

翻訳|Altamira

精選版 日本国語大辞典 「アルタミラ洞窟」の意味・読み・例文・類語

アルタミラ‐どうくつ【アルタミラ洞窟】

  1. ( アルタミラは地名Altamira ) スペイン北部、サンタンデル州のサンティラーナ‐デル‐マール村にある石灰洞窟。洞窟内の壁画は、旧石器時代洞窟絵画有名。一八七九年に発見

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルタミラ洞窟」の意味・わかりやすい解説

アルタミラ洞窟
あるたみらどうくつ
Altamira

旧石器時代の絵画で有名な洞窟。スペイン北部、サンタンデル西方サンティヤナ・デル・マールにある。1879年、地元のサウトゥーラの5歳の娘が天井壁画を発見したが、これが旧石器時代の絵画として認められるには、フォン・ド・ゴームなど他の洞窟絵画が発見されるのをまつなど20年以上を要した。20世紀の初め、フランスの神父で考古学者のブルイユは、オーリニャック期から始まり、単彩の絵はマドレーヌ文化前期、多彩色の大天井壁画はマドレーヌ文化後期と編年した。その後フランスのルロア・グーランは洞窟内絵画全体を考察し、その年代を訂正した。彼によれば、洞窟は神域のような「聖所」として使用されたと考えられるが、使われ始めた初期のころ(ソリュートレ文化~マドレーヌ文化前期)に奥部にある黒線画が描かれた。ついでマドレーヌ文化中期、入口部に近い所にある多彩色の大天井壁画が描かれ、さらにマドレーヌ文化後期には奥部にマンモスを伴ったウマバイソン構図が描かれた。この図案はより北方からの影響を受けたと考えられる。このマンモスはスペインにおける唯一例である。なおマドレーヌ文化前期層は放射性炭素C‐14によって、1万3500年前の年代が与えられた。この洞窟は1985年、世界遺産文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

山中一郎

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルタミラ洞窟」の意味・わかりやすい解説

アルタミラ洞窟
アルタミラどうくつ
Altamira

スペイン北部カスティリアラビエハ地方のサンタンデル県にある後期旧石器時代の原始絵画のある洞窟遺跡。この遺跡の壁画は旧石器時代の絵画の最初の発見 (1879) 例であるとともに,きわめて保存がよく,写実的に描かれていることで著名である。その絵はオーリニャック期 (→オーリニャック文化 ) およびマドレーヌ期 (→マドレーヌ文化 ) にわたるが,大部分はマドレーヌ第4,5期のものである。野牛,イノシシ,ウマ,シカなどが赤と黒を主体とした彩色で生き生きと描かれている。 1985年世界遺産の文化遺産に登録。

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旺文社世界史事典 三訂版 「アルタミラ洞窟」の解説

アルタミラ洞窟
アルタミラどうくつ
Altamira

スペイン北部のサンタンデル州にある旧石器時代後期の遺跡。洞窟 (どうくつ) 絵画が有名
1879年に発見され,狩猟生活で生存した旧石器人が,狩猟の呪術 (じゆじゆつ) として牛・イノシシ・シカなどの動物を彩色 (さいしき) 画や線画で壁面に描いた。その写実的で迫真性ある表現は,人類最古の芸術として高く評価されている。

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