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アルミニウム合金 アルミニウムごうきんaluminium alloy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アルミニウム合金
アルミニウムごうきん
aluminium alloy

アルミニウム Alを主成分とする合金。比重が小さい (純アルミニウム 2.63) こと,熱および電気の伝導性が高いことが特徴。実用合金としては,板,形材などに塑性加工して用いる展伸用合金と,鋳物として用いる鋳物・ダイカスト合金に大別され,さらに,それぞれは熱処理によって高強度を得ることができる熱処理型合金と,非熱処理型合金に分けられる。現在では,合金名は規格 (JISの記号・呼称) で呼ばれ,伝統的名前 (たとえばラウタール) は使われなくなってきている。展伸用合金の番号は合金系にしたがって系統的につけられていて,基本的には国際的に共通である。用途としてはシリンダヘッドやクランクケース,航空機や船舶のボディのほかに高圧送電用電線,包装用箔,さらに磁気ディスクシリンダなど情報機器用品も重要である。粉末状に急冷凝固したのち焼結して高い高温強度を得る合金,リチウム Liを添加して強度/密度の比を高める合金なども開発されている。

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知恵蔵の解説

アルミニウム合金

アルミニウム(アルミ)を主体とする合金。資源的に豊富で、鉄に次ぐ量が使われている。比重が鉄の約3分の1と軽く、緻密な酸化物保護膜により腐食が進行しにくい。建材、車両、機械のほか、各種日用品にも広く利用される。電気の缶詰といわれるほど製造に電力を要し、日本ではスクラップ以外はほとんど輸入。ジュラルミンは最もよく知られるアルミ合金。航空機やロケットに使われる。将来の航空機材料としてはアルミニウム‐リチウム合金が、またニッケルやチタンとの金属間化合物アルミナイドは耐熱合金や新しい構造材として、期待されている。

(徳田昌則 東北大学名誉教授 / 2007年)

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世界大百科事典 第2版の解説

アルミニウムごうきん【アルミニウム合金 aluminium alloy】

アルミニウムを主体金属とする合金の総称。アルミニウムAlに強度を高めるなどの目的で,銅Cu,マグネシウムMg,ケイ素Si,亜鉛Zn,マンガンMn,ニッケルNiなどを加えた多数の合金がある。鋼についで使用量が多く,金属材料のうちでも重要なもので,展伸用と鋳造用に大別される。展伸用とは圧延あるいは押出しなどの塑性加工によって板や形材に加工して使用するものであり,鋳造用には砂型金型鋳物として使用するものとダイカスト用がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルミニウム合金
あるみにうむごうきん
aluminium alloys英語
aluminum alloys米語

アルミニウムを主体とし、これに他元素を意図した配合量を加えた合金。略してアルミ合金ともいう。アルミニウム合金は、その密度(約2.7g/cm3)が鉄鋼(約7.8g/cm3)や銅合金(約8.9g/cm3)の半分以下で、きわめて軽い。また、一定断面積当りの強さで比較すればとくに鋼より強いわけではないが、同じ質量当りの強さで比較すると、高力アルミニウム合金とよばれるものの比強度(引張り強さと比重の比)は高張力鋼よりも高い。
 アルミニウム合金は加工しやすく、切削加工、押出し、圧延、プレスなどの塑性変形加工、鋳造、溶接などほとんどすべての金属加工法が適用できる。また、板、棒、管、鋳物などあらゆる形の素材が比較的簡単に得られる。また、アルミニウム合金は普通環境で外観不変である。アルミニウム自体は活性な金属であるが、その表面は薄い強固な酸化膜で覆われてしまうので、さびや腐食を生じないで美しさを長期間保つ。さらに光や電波のよい反射体で、その表面性質は長期間変わらない。また化学処理によって表面を強化し、耐食性や耐摩耗性を向上させることも容易である。アルミニウム合金は軽くて強いから、同じ強さ当り、あるいは同じ質量当りで比較すると、きわめて優れた伝導性をもつことになる(熱や電気の伝導率は銅の約2分の1、鋼の3~4倍)。そのほか、無毒であること、磁化しないこと、低温になってももろくならないことなどの特徴がある。[及川 洪]

加工用アルミニウム合金

実用アルミニウム合金の約80%は鍛造、押出し、圧延などで所望の形に成形して用いる。工業用アルミニウム(純度99.5~99.99%)のおもな不純物である鉄とケイ素を加減して特性を調節する。強さは低いが加工性に優れているので、表面特性のみが問題となる分野で多量に用いられている。強さを向上させることを目的に開発された高力合金系としてアルミニウム‐銅(‐マグネシウム)系合金(代表例ジュラルミン)、アルミニウム‐亜鉛‐マグネシウム系合金(代表例超々ジュラルミン)などがある。これらは熱処理によって強さを高める時効硬化型合金である。また主として耐食性をも向上させることを目的として開発された耐食合金系としてアルミニウム‐マンガン系合金、アルミニウム‐マグネシウム系合金(代表例ヒドロナリウム)などがあり、これは加工硬化で強さを出す。この中間として強さ、耐食の双方をねらったアルミニウム‐マグネシウム‐ケイ素系合金があり、窓枠サッシなどに使われる。アルミニウムの融点は銅や鉄に比べるとかなり低いので耐熱性はあまりないが、アルミニウム合金として耐熱性を向上させた合金としては、昔からニッケルを加えた合金があり、最近は非常に細かいアルミナ(酸化アルミニウム)やトリア(酸化トリウム)の粒子を含ませた分散強化合金(代表例SAP)もある。[及川 洪]

鋳造用アルミニウム合金

アルミニウム合金の約20%は鋳物に利用される。アルミニウム合金の鋳造性は、ケイ素を多く加えた共晶合金にすることによって著しく改良されるので、特別な強さを必要としない場合にはアルミニウム‐ケイ素系合金(代表例シルミン)が広く用いられる(非熱処理型合金)。銅やマグネシウムを含む合金は熱処理(時効硬化)によって強さを向上できるので、強さが問題となる場合にはアルミニウム‐銅‐ケイ素系合金(代表例ラウタル)や、これにニッケルを加えて耐熱性を向上させた合金(代表例Y合金、RR合金)などが使用されるが、耐食性はよくない。耐食性が問題となる場合にはアルミニウム‐マグネシウム系合金が使用される。[及川 洪]

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世界大百科事典内のアルミニウム合金の言及

【軽合金】より

…鋼(比重約7.9)に比べて軽いものをいう。アルミニウム合金の発展は1906年にA.ウィルムがジュラルミンを発明したのに始まる。この合金は高温に加熱後,水中に急冷し,その後室温かそれよりやや高い温度においておくと強くなる。…

【航空機材料】より

…しかし骨格羽布張り構造では,性能向上にも,大型化にも限界があった。航空機の能力が飛躍的に向上し,旅客輸送,あるいは戦力としても重要な役割を果たすようになったのは,アルミニウム合金の一種であるジュラルミンが実用化され,1930年代に入ってこれを用いた全金属製モノコック,あるいはセミモノコック構造の飛行機が作られるようになってからである。ジュラルミンそのものは,20世紀の初めに発明され,ツェッペリン飛行船の骨格に使用されてはいたが,本格的に飛行機に使われるようになるのには,構造設計の理論,加工や防食の技術の整う1930年代まで待たねばならなかった。…

※「アルミニウム合金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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