オーストラリア,ノーザン・テリトリー北部,ティモール海とカーペンタリア湾との間の半島部の東半部を指す地方名。面積約9万4000km2,人口10万(1985)。そのほとんどがアーネム・ランド先住民専用地区になっている。北東端にゴーブのボーキサイト採掘地区(人口3553)がある。先住民専用地区での鉱産資源開発には原則として先住民の同意が必要とされる。地方名は1623年来航したオランダ船名に由来する。
執筆者:谷内 達
アーネム・ランドにはアボリジニーが描いた岩壁画や樹皮画が多く見られ,樹皮画は現在も描き続けられている。主題は神話にまつわるものが多く,何千年間も崇拝されてきた超越的な精霊を形象化したものである。様式的には人物や動物などを自然主義的に描いたものが多く,その点,抽象的な図形を主とするオーストラリア南部のものと対照的である。顔料は赤や黄のオーカーが主で,白は石灰石や焼いた貝殻から,黒は木炭やマンガン鉱から得られる。岩壁画は,自然のままの岩盤に描かれ,岩面が整えられることはない。
執筆者:木村 重信
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オーストラリア、ノーザン・テリトリー北部、チモール海とカーペンタリア湾との間にある半島部の東半部をさす地方名。面積約9万4000平方キロメートル。同国最大の「アーネム・ランド先住民専用地区」とほぼ同じ範囲にあたる。北東端のゴーブにボーキサイト鉱山がある。これら鉱産資源の開発には先住民の同意が必要。地方名は、1623年に来航したオランダ船名に由来する。
[谷内 達]
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