イザヤ(その他表記)Isaiah

翻訳|Isaiah

デジタル大辞泉 「イザヤ」の意味・読み・例文・類語

イザヤ(Isaiah)

前8世紀のイスラエル預言者外敵に悩むユダ王国にあって、神ヤーウェの聖と正義、また救いの王(メシア)の到来による平和を説き、民を導いた。

いざ‐や

[感]《「や」は間投助詞》誘いかけるときに用いる語。さあ。いざ。
信頼、義朝おつるなり。―とどめん」〈平治・中〉

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精選版 日本国語大辞典 「イザヤ」の意味・読み・例文・類語

いざ‐や

  1. 〘 感動詞 〙 ( 「いざ」に間投助詞「や」の付いたもの。中世に多く用いられる ) 相手を誘うときなどに呼びかける語。また、あることを思い立って実行に移そうというときに発する声。さあ。いざ。いざよ。
    1. [初出の実例]「いさや、これ殿上に行てかたらむとて、中将新中将六位どもなど、ありけるはいぬ」(出典:能因本枕(10C終)一四〇)
    2. 「鎮西八郎こそ生捕られて渡さるるなれ。いざや見ん」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)下)

イザヤ

  1. ( Isaiah ) ユダヤ王国の偉大な預言者。BC七四〇年頃、神エホバの預言者に召される。外敵の侵攻は国民の不信仰によるものとして、約四〇年間ひたすら神エホバへの正しい信仰を訴え、殉教した。「旧約聖書」中の「イザヤ書」は彼の預言を伝えたもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「イザヤ」の意味・わかりやすい解説

イザヤ
Isaiah

古代イスラエルの三大預言者の一人。分裂王国時代の前8世紀の最後の3分の1の時期にユダ王国で活動した。おそらくエルサレム名門の出身であり,周囲に門人サークルがあったと思われる。召命時に神の聖性にふれて贖罪を体験し,神の厳しい審判の言葉を国家と国民に告げる預言任務を直ちに受諾,使命預言の典型を示す。社会批判においては,とくに貴族階級による自由農民からの土地家屋の経済的収奪行為を厳しく批判した。イザヤは人間の政治行為の自律性を高く評価したが,国家の外国政策について,大国への依頼を世界歴史の真の支配者である神に対する不信行為であると断じて,終始批判を行った。前734年に,パレスティナの反アッシリア同盟に参加しなかったユダが同盟軍からの攻撃にさらされたときに,イザヤは国家指導者の最も責任ある行為として神に不動の信頼を置くべきことを国王アハズに要求したが,聞き入れられなかった。また前8世紀の終りに,エジプトに頼って反アッシリア同盟に加わる国王ヒゼキヤの政策をも同じように激しく批判したが,やはり無視された。神の救済の申し出を拒否するダビデ王家に代えて,公平と正義をもって国を治め,戦いを止めて平和をもたらすメシア的王を神が下すという約束をイザヤは語った。この神王メシアの預言は,後代原始キリスト教団において,イエス・キリストの生誕を約束した預言とみなされ,福音書に引用された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イザヤ」の意味・わかりやすい解説

イザヤ
いざや
Isaiah

紀元前8世紀の後半40年余りにわたって、エルサレムで活動した旧約時代最大の預言者の一人。前742年、長くユダ王国の王位にあったウジヤの死んだ年、神の啓示を受け預言活動を始めた。当時すでにアッシリア帝国によって、世界帝国建設のための侵略戦争が開始されていた。イザヤの確信は、歴史を真に支配するのは神ヤーウェであり、静かにヤーウェを信頼するならば、かならずエルサレムは守られるということであった。これはエルサレムに古くから伝わる宗教的伝統であったが、彼はこの立場を激動する時代の現実政治のなかで主張し、とくに外国との軍事同盟を批判した。しかしユダのアハズ王はイザヤに従わず、彼をはじめとするユダの王たちとの対決のなかからイザヤのメシア預言は語られた。

[木田献一]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「イザヤ」の解説

イザヤ
Isaiah

前8~前7世紀のイスラエルの預言者。南王国(ユダ王国)のウジヤ(アザルヤ)王からマナセ王までの間活動。シリア‐エフライム戦争,北王国(イスラエル王国)の滅亡,アッシリアセンナケリブの来襲などの危機によく国民を指導した。彼の預言を収録したのが旧約聖書の「イザヤ書」である。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イザヤ」の意味・わかりやすい解説

イザヤ
Yeshaya; Isaiah

旧約聖書中最大の預言書とされる『イザヤ書』を残した記述預言者。「主は救い」または「主の救い」の意。ユダヤの民で,前 783~687年の間,4人の王の時代を通じておもにエルサレムで預言活動を行なった。雄弁で熱情にあふれた詩人的預言者で,政治上の見識も高く旧約聖書の記述預言者中最大の人物とされる。ユダ王国の危機に際してはひたすら神を信じ,他国の援助を仰ぐべきでないと主張した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「イザヤ」の解説

イザヤ
Esaias

生没年不詳
前8世紀に活躍したユダ王国の預言者
アッシリアの攻撃に際し,ユダヤ人を奮起させた。『旧約聖書』の「イザヤ書」は格調が高く,『新約聖書』への影響が強い。エレミア・エゼキエル・ダニエルとともに,ユダ王国の四大預言者と呼ばれる。

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世界大百科事典(旧版)内のイザヤの言及

【預言者】より

…〈言葉の預言者〉において預言は神と民の間を審判の言葉,救済の言葉をもって引き裂き,また引き裂くことによって新たに結びつけようとしたものといえる。アモスに続くホセア,イザヤ,エレミヤなどの前8~前7世紀の預言者の活動の中心をわれわれはその点に見たい。王国の滅亡後に活動したエゼキエルや第2イザヤといわれる預言者(《イザヤ書》40~55)では預言の性格はかなり変わり,前者には祭司的要素が強く,後者には文筆家の面が強い。…

※「イザヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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