イソオクタン

デジタル大辞泉 「イソオクタン」の意味・読み・例文・類語

イソオクタン(isooctane)

オクタン異性体無色液体ガソリンアンチノック性測定オクタン価100とする標準燃料に用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「イソオクタン」の意味・読み・例文・類語

イソオクタン

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] isooctane ) メタン列炭化水素一つ。化学式 C8H18 無色の液体で、アンチノック性が強い。ガソリンのアンチノック性を測る標準燃料に用いられる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「イソオクタン」の解説

イソオクタン
イソオクタン
isooctane

脂肪族飽和炭化水素(アルカン)の一つ.n-オクタン以外のオクタン総称であるが,燃料では通常,2,2,4-トリメチルペンタンのことをいう.原油中に少量含まれる.製法は,酸性触媒を用いて,イソブタンイソブテンアルキル化する方法と,イソブテンを硫酸またはリン酸を触媒として二量化し,生成したジイソブテン(イソオクテン)を水素化する方法とがある.いずれの方法もほかの異性体を少量副生するので,精製が必要である.構造はペンタンに三つのメチル基が分枝状に結合したものである.無色の液体.融点-107.38 ℃,沸点99.24 ℃.0.68781.1.38898.エーテルに可溶,エタノールに微溶,水に不溶.ガソリンのアンチノック性を示すオクタン価を測定するための標準燃料(オクタン価=100)であり,燃料としておもに高オクタン価ガソリンの配合に用いられる.ほかに溶剤としての用途もある.[CAS 540-84-1]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イソオクタン」の意味・わかりやすい解説

イソオクタン
いそおくたん
isooctane

炭素数8個の飽和炭化水素のうち、直鎖状のものをn-オクタンといい、枝分れしたものをイソオクタンとよぶが、燃料分野ではとくに2,2,4-トリメチルペンタンのことをさす。

 石油中にも微量存在するが、工業的にはイソブチレン、イソブタンを原料として合成される。無色の液体。水には溶けないが炭化水素系の溶媒には任意の割合で混じる。ガソリンのアンチノック性を測定する標準燃料で、この化合物のオクタン価を100とする。

 また2-メチルヘプタンのことをイソオクタンということがある。

[佐藤武雄・廣田 穰]


イソオクタン(データノート)
いそおくたんでーたのーと

イソオクタン
(2,2,4-トリメチルペンタン)

 分子式 C8H18
 分子量 114.2
 融点  -107.380℃
 沸点  99.238℃
 比重  0.6919(測定温度20℃)
 屈折率 (n)1.3914

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「イソオクタン」の意味・わかりやすい解説

イソオクタン
isooctane

ふつうn-オクタンの異性体の一つである2,2,4-トリメチルペンタンをいう。常温・常圧下で無色の液体。オクタン価測定のための正標準燃料(オクタン価100)とされ,またそのオクタン価が高いことを利用して高オクタン価ガソリン製造のための混合材として使用される。イソオクタンの製造法は2種類ある。第1は,酸性触媒を用いてイソブタンをイソブチレンでアルキル化する方法で,

第2は,イソブチレンを硫酸,リン酸などを用いて二量化し,生成するジイソブチレン(イソオクテン)を水素化してイソオクタンとする方法である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イソオクタン」の意味・わかりやすい解説

イソオクタン
isooctane

2, 2, 4-トリメチルペンタン。化学式 CH3C(CH3)2CH2CH(CH3)2 。石油中に微量含まれている。ガソリンのアンチノック性測定用の標準燃料で,オクタン価 100と規定されている。無色の液体。沸点 99℃。工業用イソオクタンはイソブチレンおよびイソブタンからつくられ,少量の異性体を含むため,オクタン価は 100より低いが,高オクタン価ガソリンの配合剤として重要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android