イフェ(英語表記)Ife

デジタル大辞泉 「イフェ」の意味・読み・例文・類語

イフェ(Ife)

ナイジェリア南西部、オスン州の都市。正式名称イレイフェ。ヨルバ族最初の王オニがこの地に降臨したという伝説がある。西アフリカ最古の町の一つであり、イフェ王国王都として栄え、現在も王宮が残っている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「イフェ」の意味・わかりやすい解説

イフェ
Ife

西アフリカの最も古い町で,ナイジェリア西部,内陸にあるヨルバ族の都市。人口29万(1995)。12世紀ころから西アフリカ美術の傑作といわれるテラコッタやブロンズ彫像がここを中心に制作された。強大なイフェ王国の中心として17世紀後半まで栄えたが,その後は,隣接する同じヨルバ族のオヨ王国が繁栄してイフェはしだいに衰退していった。現在も町の中心にはオニと呼ばれる王の住む王宮がある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「イフェ」の意味・わかりやすい解説

イフェ

ナイジェリアの西部,イバダンの東方約72kmにある都市。金山があり,綿花,カカオを産する。11―19世紀,ヨルバ人の最初の王国イフェ王国の都で,創造神オニの王宮がある聖地。優れたブロンズ像が出土する。大学(1961年創立)がある。28万9500人(1995)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のイフェの言及

【ヨルバ族】より

…大規模な宮廷組織や首長の評議会,秘密結社,年齢集団,称号制度など,アフリカの王国にみられる諸制度のほとんどが,ヨルバの王国に見いだされる。伝承によれば,それらの王国はすべて一人の神話的始祖に発するとされ,王権発祥の地であると同時に世界創造の中心でもあると伝えられる古都イフェIfeが,全ヨルバの聖地となっている。 王権と密接なかかわりをもつ伝統宗教は,複雑かつ多彩な神話伝承や祭儀を伴う多神教であり,ヨルバ文化の水準の高さと豊かさを示している。…

【イフェ王国】より

…ナイジェリア連邦西部,イフェを都とするヨルバ族最初の王国で,11世紀初頭までにはつくられていた。ヨルバの伝承によれば,人類発祥の地はイフェIfeであり,そこに天の神オロルンが降臨させたオドゥドゥワが王国をつくった。…

【ヨルバ族】より

…ヤムイモ,キャッサバ,トウモロコシなどを主作物とする農耕民であるが,伝統的に大規模な都市的集落を形成し,独自の政治組織を発達させてきた(1931年の統計では人口2000以上の集落に全人口の80%が集中し,人口2万以上の都市の居住者も35%に達した)。 ヨルバは,イフェ王国オヨ王国,イジェシャIjesha王国,イジェブIjebu王国,オンドOndo王国,エキティEkiti王国,エグバEgba王国など,13,14世紀に成立したとみられる,10余りの独立的な王国を形成してきた。各王国は政治的・宗教的権威としての王をいただくが,政治組織の構成はそれぞれに異なる。…

※「イフェ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android