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イブン・ハズム イブン・ハズム Ibn Ḥazm Abū, Muḥammad `Alī

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イブン・ハズム
イブン・ハズム
Ibn Ḥazm Abū, Muḥammad `Alī

[生]994.11.7. コルドバ郊外
[没]1064.8.16. マンタリーシャム
スペインのアラブ化した文学者,神学者。祖父のときからイスラムに改宗。繊細な文章で騎士道的恋愛を突きつめて分析した『鳩の首輪』 Ṭawq al-ḥamāmah (1027) はアラビア語文学のなかでも独創的な作で,著者自身の青年期の激しい悲恋の心境なども述べられている。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イブン・ハズム
いぶんはずむ
‘Al ibn azm
(993―1064)

中世スペインのアラビア語著述家、神学者。コルドバでウマイヤ朝高官を父として生まれた。ウマイヤ朝が衰退し、父が没するとともに迫害を受け、1013年にはコルドバを離れてアルメリアへ移った。ここでウマイヤ派とみなされて投獄、追放されてバレンシアへ行った。ここでまたも投獄され、19年にコルドバに戻り、23~24年にアブドゥル・ラフマーン5世のもとで7週間大臣となったが、このカリフ(最高指導者)が暗殺されるとまた投獄され、次にハティバへ行き、ここで『鳩(はと)の頸(くび)飾り』を書いた。こののちは、イスラム正統派からは異端視されていたザーヒル派の立場から激しい神学的論争を行い、各地で禁圧を受けてマジョルカ島へ難を避け、疲れ果てて最後にバダホス近くのカサ・モンティハの家族のもとで没した。著作は400もあったといわれるが多くは散逸し、10種ほど残っている。なかでも『アル・ミラル・ワン・ニハル』(諸宗派の書)はイスラム思想史上重要であるが、文学的には『鳩の頸飾り』のほうがよく知られている。これは恋愛および恋する人についての諸例を30章に分けて書いたもので、スタンダールやモーロアの『恋愛論』の先駆をなす、と評されている。[矢島文夫]
『黒田寿郎訳『鳩の頸飾り』(1978・岩波書店)』

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