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恋愛論 れんあいろんDe l'Amour

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

恋愛論
れんあいろん
De l'Amour

フランスの小説家スタンダール著。 1822年刊。従来の恋愛論にみられる憶説や先入観を排し,心理学的立場から恋愛の解剖を試みたもので,分類 (情熱的,趣味的,肉体的,虚栄的) ,発生とその過程を扱う第1部と,その社会生活との関連を扱う第2部から成る。恋する者が自己の想像や欲望によって相手を理想化していく過程を,ザルツブルクの塩坑でみられる枯れ枝に付着する塩の結晶にたとえた「結晶作用」 cristallisationの語は有名。

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デジタル大辞泉の解説

れんあいろん【恋愛論】

《原題、〈フランス〉De l'Amourスタンダールによる評論。1822年発表。愛する人を想像力で美化してしまう心理的作用を表す「結晶作用(cristallisation)」の造語が有名。

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大辞林 第三版の解説

れんあいろん【恋愛論】

スタンダールの評論。1822年刊。第一部では恋愛を情熱・趣味・肉体・虚栄の四つのタイプに分け、第二部で社会生活との関係を考察する。塩の結晶を例に、恋愛心理の発生を説いた「結晶作用」が名高い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

恋愛論
れんあいろん
De l'Amour

フランスの作家スタンダールのエッセイ。1822年刊。冒頭で恋愛を4種に分類したり、恋の進展に7段階を画したり、のち有名になった「結晶作用」cristallisationという用語を導入するなど、恋愛に関する理論的著作であるかのような印象を与えるが、総体はあまり体系的とはいいがたい。「人間の心の観察家」を天職と心得るスタンダールは、イデオロジー哲学の強い影響のもとに、もちろん恋愛なる情念の分析を志すのだが、しばしばそれ以上に私的体験の告白(多くは自殺した一イタリア青年の手記という体裁をとる)が前面に押し出されてしまう。すなわち、この作品は、ミラノで人妻マチルデ・デンボウスキに恋し、失恋した著者の体験がその直接の源泉であり、極論するなら彼女1人のために書かれた弁明と告白書という性格をもつ。それが本書を理解しにくくしているのも事実だが、反面、スタンダールという作家を理解するためには不可欠の「鍵(かぎ)」ともいうべき作品なのである。[冨永明夫]
『大岡昇平訳『恋愛論』上下(新潮文庫)』

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