日本大百科全書(ニッポニカ) 「イミン」の意味・わかりやすい解説
イミン
いみん
imine
アンモニアNH3の水素2原子を2価の炭化水素基で置換した化合物の総称で2種に大別される。
(1)一般式(CH2)nNHで示される環状第二級アミン。代表例としてエチレンイミン(アジリジン)、ピロリジン、ピペリジンがあげられる。一般に特有のにおいをもつ無色の液体で、塩基性を示す。鎖状ジアミンの塩酸塩を加熱して環化させるか、対応する複素環式化合物や酸イミドを還元して得られる。
(2)カルボニル基Oの酸素をイミノ基=NHで置換した形の化合物。アルデヒドR-CHOから誘導されるアルドイミンRCH=NHと、ケトンRCOR'から誘導されるケトイミンRR'C=NHがあるが、一般に不安定な化合物である。たとえばニトリルの還元の中間体としてアルドイミンが、またニトリルとグリニャール試薬との反応の中間体としてケトイミンが生成する。
[山本 学]