イーゴリ(ノブゴロド・セーベルスキー公)
いーごり
Игорь Святославич/Igor' Svyatoslavich
(1150―1202)
ロシアのノブゴロド・セーベルスキー公。のちチェルニゴフ公。当初、遊牧民ポーロベツ人を味方にして同胞と戦うなどしたが、1185年ロシアの地を守るべく他の諸公と同盟し、ポーロベツ人に対する遠征を企てた。しかしこの遠征は失敗に終わり、彼は囚(とら)われの身となる。中世ロシア文学最高の作品『イーゴリ遠征物語』は、この事件を歌ったものである。イーゴリはその後脱走し、戦いを続行した。
[栗生沢猛夫]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例