イーゴリ(リューリク王朝の始祖)(読み)いーごり(英語表記)Игорь/Igor'

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

イーゴリ(リューリク王朝の始祖)
いーごり
Игорь/Igor'
(?―945)

ロシアのリューリク王朝の事実上始祖。半伝説的人物リューリクの子とされる。912年よりキエフ大公ドニエストル川とドナウ川間の東スラブ諸族を服属させ、913年にカスピ海方面に進出、941年と944年にはビザンティン帝国の首都コンスタンティノープルに遠征した。その際に結んだ条約(944)は名高い。さらに遊牧民ペチェネグ人などとも戦ったが、945年、遠征中にドレブリャーニン人の反乱にあって倒れた。

[栗生沢猛夫]

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