ウィンナ・ワルツ(読み)うぃんなわるつ(英語表記)Wiener Walzer ドイツ語

日本大百科全書(ニッポニカ)「ウィンナ・ワルツ」の解説

ウィンナ・ワルツ
うぃんなわるつ
Wiener Walzer ドイツ語

ドイツ舞曲レントラーから派生した4分の3拍子、三部形式の舞曲。1786年ウィーンのオペラに初めて登場し、上流階級のひんしゅくを買いながらも流行する。「会議は踊る」のウィーン会議(1814~15)以後、社会の各層に浸透した。1811年のカンペのドイツ語辞典にはすでに固有名詞として採用されている。1820年代にJ・ランナーとヨハン・シュトラウス(父)によって、序奏とコーダを伴った5曲のワルツからなる定型が確立された。とくに「ワルツ王」とよばれた息子のヨハン・シュトラウス、弟のヨーゼフが活躍した19世紀後半はまさにワルツの全盛期で、『美しく青きドナウ』『ウィーンの森の物語』『皇帝円舞曲』などのワルツ王の名作は、まさにウィンナ・ワルツの代名詞となった。独特なリズムのウィーン風の演奏伝統は、他の追随を許さぬものである。

樋口隆一

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

亡命

政治的,思想的,宗教的,人種的,民族的相違などから,迫害などの身の危険を回避するために本国から逃亡し,外国に庇護を求める行為をいう。教会および国家の支配層による弾圧を逃れてアメリカに渡った非国教徒たる...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android