ウラシマソウ(浦島草)(読み)ウラシマソウ(英語表記)Arisaema thunbergii

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウラシマソウ(浦島草)」の意味・わかりやすい解説

ウラシマソウ(浦島草)
ウラシマソウ
Arisaema thunbergii

サトイモ科の多年草で,テンナンショウの1種。各地の林内や竹藪など湿った場所に多い。地下に大きな球茎があり,その上半部から多数の長い根を出す。球茎の頂部から太い地上茎を1本直立させ,葉の柄が長い鞘をつくってこの茎を巻く。この鞘の表面は緑色で濃い紫褐色の斑点が目立つ。葉は鳥足状に分れた複葉で,小葉は 15枚にも達し,緑色で先端はとがる。春に茎の頂部に,仏炎包に包まれた肉穂花序を出す。仏炎包は紫褐色で下半部は筒形,上半部は一側だけ大きく発達して,ふたのように前に曲る。肉穂花序の先端が紫色の紐のようになって長く伸び,仏炎包の外に出て立上がったのち,さらに先の部分は糸を垂らしたように下がる。これを釣糸に見立てて浦島草の名となった。

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