エッジワース(Kenneth Essex Edgeworth)(読み)えっじわーす(英語表記)Kenneth Essex Edgeworth

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

エッジワース(Kenneth Essex Edgeworth)
えっじわーす
Kenneth Essex Edgeworth
(1880―1972)

アイルランド天文学者、経済学者。ウェストミース州に生まれる。幼少時、叔父が彼の生家天体観測所として使っていたこともあり、天文学に興味をもつ。イギリスの陸軍士官学校、工兵学校で学び、第一次世界大戦時はフランスで従軍した。戦後1926年に退役し、一時スーダンで電信電話局に勤めた後、1931年にダブリンに戻った。そこで国際経済を学び、経済に関する本を4冊出版している。天文学関連では、1943年に「われわれの惑星系の進化」という重要な論文を提出している。そのなかで、海王星外側短周期彗星(すいせい)の起源と思われる天体が存在するとした、現在のエッジワース・カイパーベルト(天体)の考え方を最初に示した。これはカイパーによる同様な提案に8年先だち、オールトによる、太陽系最外縁にあると考えられている長周期彗星の起源と思われる天体の存在の提案に7年先だつものである。

[編集部 2023年4月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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