ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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1947年に発見された、オーストラリア南部フリンダー山脈のトレンズ湖北岸にあるエディアカラとよぶ小さな丘の原生界最上部の地層から産出する動物化石群。クラゲやウミエラの仲間や鉢虫(はちむし)類などの腔腸(こうちょう)動物を主とし、ゴカイの仲間の環形動物をはじめとする無脊椎(せきつい)動物の多くの印象化石(形態の印象だけが型となって残された化石)を含む。その地質年代は約6億年前とされ、それまでに発見されたカンブリア紀初期のバージェス動物群よりも古く、最古の無脊椎動物として注目された。これを研究した古生物学者グレッスナーMartin Fritz Glaessner(1906―1989)が、1950年に産地の名をとって命名した。その後1952年、ウラル地方のロシア台地に位置する白海沿岸のベンド期の地層から、さらに1972年には南アフリカのナミビア地方の地層からほぼ同じ内容の動物化石群が発見された。前者をベンド動物群Vend fauna、後者をクイビス動物群Kuibis faunaまたはナマ動物群Nama faunaとよんでいる。これらの動物群には、環形動物と思われるものの這(は)い跡などの生痕化石も伴っている。そのほかラテンアメリカ各地、イギリス、ポーランド、インドのヒマラヤ地方、中国、カナダ北西部およびニューファンドランド州などからも発見されている。
いずれも腔腸動物のほかに、海綿動物、環形動物、紐形(ひもがた)動物、原始的な節足動物などの無脊椎動物の印象化石で、硬い殻(から)をもつ動物の化石は含まれていない。これらの動物群が発見されるまでは、古生代のカンブリア紀が始まる今から5億4000万年前になって、初めて大形の石灰質の殻をもつ無脊椎動物が出現したと考えられていたが、出現の時期はさらに古く6億年前にさかのぼる。これらの動物群が生息した海は、ストロマトライトとよぶ石灰岩に覆われた浅い海域で、無脊椎動物はこのような海域で発達し、カンブリア紀になって初めて硬い殻をもつことができたと考えられている。そのためグレッスナーは6億年前から5億4000万年前までの時代を始カンブリア紀Eocambrianとよんで区別している。これとは別に、ベンド動物群を産出するロシア台地の地層群の示す地層年代をベンド期Vendianとよんでいるが、その始まりは始カンブリア紀よりもやや古い。この時期の地球を囲む大気中には、自由酸素が現在に近い状態に含まれており、オゾン層も発達していたため、地球表面に対する紫外線の照射も制御されていたことが、生物の発達を促した。またこれらの無脊椎動物が発達した時代の前には、地球が寒冷気候に襲われた時期があり、世界各地に氷河堆積層が認められる。
[大森昌衛]
『大森昌衛著『進化の大爆発――動物のルーツを探る』(2000・新日本出版社)』
…それ以前の先カンブリア時代のうち生命が発現してからの約30億年間は,微細な無殻の原始生物ばかりであったため隠生累代と呼ばれる。ただし,その最後の1億年くらいの間には無殻ではあるが,大型の無脊椎動物が急激に発達するので(オーストラリアのエディアカラ動物群,アフリカのナマ動物群が代表的),これを始カンブリア紀Eocambrian periodとして独立させ顕生累代の最初の紀,つまり古生代の第1の紀にしようという意見もある。 古生代における出来事としては,生物の著しい発展を第一にあげなければならない。…
※「エディアカラ動物群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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