化学辞典 第2版「エンケファリン」の解説
エンケファリン
エンケファリン
enkephalin
オピオイド(モルヒネ)受容体と特異的に結合する内因性ペンタペプチドで,鎮痛作用を示す.Tyr-Gly-Gly-Phe-X(X:MetまたはLeu)の構造をもつ2種類があり,それぞれメチオニンエンケファリン,ロイシンエンケファリンとよばれる.特定の神経細胞中に含まれ,神経末端から分泌される神経ペプチドで,脳,下垂体,消化管,脊髄,副腎髄質などに含まれる.メチオニンエンケファリンはエンドルフィンの,ロイシンエンケファリンはネオエンドルフィンの部分構造を形成している.薬理作用としては,痛覚や体温の制御,神経内分泌機能の調節のほか,摂食や飲水行動への影響など,複雑な中枢作用をものものと考えられている.[CAS 59141-40-1][CAS 58569-55-4:メチオニンエンケファリン][CAS 58822-25-6:ロイシンエンケファリン]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報