オウレン

百科事典マイペディアの解説

オウレン

北海道〜四国の山中の林内にはえるキンポウゲ科の常緑多年草。葉は根生し,3出複葉。早春,高さ10〜25cmの花茎を出し,径約1cmの白い花を1〜3個つける。萼片は花弁状で5〜6個,花弁は退化し蜜腺となる。根茎ベルベリンを含み,鮮やかな黄色で黄蓮(おうれん)の名で胃腸薬などとして薬用とする。深山林中にはえるバイカオウレンは葉が掌状に5裂する。花はがく片が花弁状で5枚,まるく大きくウメの花に似ている。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オウレン
おうれん / 黄連
[学]Coptis japonica (Thunb.) Makino

キンポウゲ科の多年草。3~4月に高さ10センチメートルの花茎を出し、その先に2、3個の花をつける。5~7個の白色花弁のようにみえるものは萼(がく)で、花弁は小さく線形である。雌雄異株と同株のものが混じって生える。雄しべは多数、雌しべは9~11本で、花期後に子房柄が伸びて袋果は輪状に並ぶ。葉は茎の根元から生え、長さ10~27センチメートルの複葉で、小葉には鋭い鋸歯(きょし)がある。北海道、本州、四国の山地樹林下に生える。葉の分裂の仕方に3型があり、1回3出複葉のものは葉が厚く光沢があり、それをキクバオウレンといい、日本海側に分布する。2回3出複葉のものをセリバオウレンといい、本州の中央山地に分布し、3回3出複葉のものをコセリバオウレンといい、太平洋側に分布する。
 地下茎はやや太く横に伸び、多くの細根を出す。地下茎の断面はベルベリン系アルカロイドがあるために鮮黄色を呈し、かむと甚だ苦い。アルカロイドは全体に存在するから葉も苦い。黄連(おうれん)と称して薬用にするのは地下茎である。栽培されるのはキクバオウレンとセリバオウレンで、兵庫県、鳥取県、福井県でおもに栽培され、栽培地名をとって丹波(たんば)黄連、因幡(いなば)黄連、加賀黄連、日光黄連などとよぶ。清熱、止瀉(ししゃ)、消炎、解毒作用があるので、胸苦しさ、不眠、口内炎、出血、下痢、赤痢、眼病、胃病などに用いる。草木染めの黄色染料にもする。中国の中部に分布するC. chinensisも黄連とよぶが、これが正しいのであって日本産のものに黄連の名を使うことは誤りである。しかし薬効は同じであるから実用上は問題はない。中国にはこのほかC. deltoidesC. omeiensisC. teetoidesなどがあり薬用とする。インドのアッサム地方にはC. teetaがある。[長沢元夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ミレニアル世代

《millennialは、千年紀の、の意》米国で、2000年代に成人あるいは社会人になる世代。1980年代から2000年代初頭までに生まれた人をいうことが多く、ベビーブーマーの子世代にあたるY世代やデ...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android