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オキボ オキボOkigbo, Christopher

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オキボ
Okigbo, Christopher

[生]1932.8.16. イギリス保護領ナイジェリア,オジョト
[没]1967.8. ナイジェリア,ンスッカ
ナイジェリアの詩人。イボ族出身。1956年イバダン大学卒業後,大学図書館や政府の情報局などで働き,雑誌『トランジション』の編集にも携わった。大学時代に学んだギリシア,ラテンの古典詩(→ギリシア文学ラテン文学)から,エズラ・パウンド,トマス・スターンズ・エリオットらの現代イギリス詩にいたるまでの西欧の詩に造詣が深く,同時にナイジェリアのイボ族の民間伝承にも詳しい。高度な技法を駆使し,音楽的で豊かな感性に満ちた独特の詩の世界を確立した。詩を支えるエッセンスの一つはある種の宗教意識で,みずからを母方の祖父の生まれ変わりだと信じていた。祖父はイボ族の民間信仰にみられる川の女神イドドに仕える僧であったといい,オキボによれば,詩を書くことはその僧としての役割を果たすことであった。1967~70年のビアフラ戦争時にビアフラ側に立って従軍し,1967年東部戦線で戦死した。没後出版された詩集『迷路,および雷の道』Labyrinths with Path of Thunder(1971)のほか,『天国の門』Heavensgate(1962),『限界』Limits(1964),『沈黙』Silences(1965)などがある。(→アフリカ文学

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オキボ
おきぼ
Christopher Okigbo
(1932―1967)

ナイジェリアの詩人。イボ人。カトリック教徒。兄2人は著名な学者。イバダン大学古典科卒業。ケンブリッジ大学出版局西アフリカ代表となり、『トランジション』の編集など文化出版事業に従事する。ナイジェリア内戦でビアフラ軍に投じ、1967年8月東部戦線で作戦中戦死(少佐)。アチェベと児童図書出版社の設立を企画中だった。58年「自己検証せよ」との啓示を受け、詩人として開眼したと告白している。詩集に、世界のあらゆる宗教の教義を統合した普遍宗教の創造という雄渾(ゆうこん)な企図のもとに、救済とか生き神としての復活といった宗教の根元的命題を追究した『天国の門』(1963)、信仰を超絶した「絶対究極の英知」の探究をテーマとした『限界』(1964)のほか、『静寂』『雷の道の迷い路』があり、気宇の壮大さで群を抜く逸材であった。[土屋 哲]

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