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オスプレイ おすぷれいOsprey

翻訳|Osprey

知恵蔵の解説

オスプレイ

アメリカ軍の最新鋭輸送機(ティルトローター機)の愛称。米国防省のJVX(統合垂直離着陸機)計画の下、ベル社とボーイング社が開発した。現在、海兵隊用「MV22」と空軍用「CV22」の2機種が製造されている(基本性能は同じ)。初飛行は1989年で、正式配備は2007年。イラク、アフガニスタン、リビアでの実戦にも投入されている。日本の米軍基地にも、老朽化が指摘されているCH46(輸送用ヘリ)の後継機として配備が計画され、12年7月23日に「MV22」12機が岩国基地(山口県)に搬入された。点検作業等を経たのち、同年10月、「世界一危険な基地」と言われる普天間基地(沖縄県)に移される。今後、更に12機が導入される予定。
オスプレイは、左右の固定翼にそれぞれ回転翼(ローター)を備えている。その角度を97.5度から0度まで(垂直方向から水平方向まで)変えることにより、ヘリのように垂直離着陸や空中停止することも、飛行機のように水平に高速飛行することも可能。また、中間の60~75度で、短距離離着陸 (STOL)もできる。
時速は約500キロメートルで、CH46の2倍近い。航続距離は約3900キロメートルで、CH46の5倍以上。作戦行動半径(人員・物資を搭載して、目的地と往復できる距離)も約600キロメートルで、CH46の約4倍。空中給油も可能で、1回の補給で行動半径は1000キロメートルを超える。これは、沖縄を中心にすると、朝鮮半島、中国大陸東部、南シナ海までを含む範囲。輸送兵員も24人でCH46の2倍、貨物の搭載量も約3倍。飛行高度も最高約7500メートルで、他機からの攻撃も受けにくい。こうした点から政府内では、北朝鮮や中国に対する軍事抑止力としての期待が高まっている。
しかし、ヘリと航空機の「良いとこどり」のシステムは複雑で、操縦にも高度な技術を要する。開発段階から計8回(配備後は4回)も重大事故を起こしており、犠牲者数は36人に及んでいる。米国では「ウィドウ・メーカー」(未亡人製造器)の汚名が付けられ、最近も12年4月にモロッコで、6月に米国フロリダ州で事故を起こしている。いずれも事故原因が解明されておらず、とりわけ基地周辺での安全性が懸念されるが、「海兵隊の資料によると、10万飛行時間当たりのオスプレイの事故率は1.93であり、海兵隊戦闘機の平均2.45と比べて低く、またCH46の1.11とも大差ない」という反論もある。ただし、この数値には、フロリダ州の事故など、多発している空軍用「CV22」機の事故は含まれておらず、また、09年に海兵隊が事故認定の基準を引き上げたこと、事故隠蔽(いんぺい)の疑いも指摘されていることなどから、数値の信憑性(しんぴょうせい)を疑問視する声は強い。なお、「オスプレイ(osprey)」は、タカ科の猛禽(もうきん)類「ミサゴ」の英名。ミサゴは日本では絶滅危惧種に指定されている。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2012年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

オスプレイ

防衛省はオスプレイについて、従来の大型輸送ヘリCH47と比べ最大速度は約2倍の時速520キロ、行動半径は約1・2倍の約600キロ、1回の空中給油で約1100キロとし、「離島への迅速な輸送に適している」と説明している。米政府は5月5日、オスプレイ17機を部品なども含め計約30億ドルで日本に売却することを決定した。1ドル=119円だと約3570億円かかる。

(2015-09-08 朝日新聞 朝刊 佐賀全県・1地方)

オスプレイ

米軍の新型輸送機。プロペラの向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と固定翼機のような高速飛行を両立することができる。ただ、開発段階で事故が相次いだ。2012~13年、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)に計24機配備された。

(2016-12-14 朝日新聞 朝刊 1総合)

オスプレイ

米軍の新型輸送機。プロペラの向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と、固定翼機のような高速飛行の両方ができる。海兵隊用のMV22は輸送ヘリCH46の後継機で、航続距離は約3900キロ、最大速力は時速約520キロとされる。

(2016-12-14 朝日新聞 夕刊 1社会)

オスプレイ

米軍の新型輸送機。プロペラの向きを変えることで、ヘリコプターのような垂直離着陸と固定翼機のような高速飛行を両立することができる。輸送ヘリCH46の後継機として開発され、航続距離は最長で約3900キロとされる。ただ、開発段階で事故が相次ぎ、安全性を危ぶむ声があった。2012~13年、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に計24機配備された。

(2016-12-14 朝日新聞 朝刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

オスプレイ(osprey)

タカ科の鳥のミサゴ。オスプリー。
(Osprey)米軍の輸送機の一。主翼の両端に角度が変わる回転翼をもち、ヘリコプターのように垂直離着陸やホバリング、超低空飛行のできる航空機。ヘリコプターよりも高速で航続距離が長い。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オスプレイ

ベル/ボーイングV-22オスプレイ」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オスプレイ
おすぷれい
Osprey

固定翼機でありながら、垂直に離着陸できるアメリカ軍の主力輸送機V-22の愛称。主翼両端についたローターとエンジン部を、水平方向から垂直方向に動かすことで、ヘリコプターのような垂直離着陸やホバリング機能と、プロペラ飛行機のような航続距離の長い水平高速飛行機能を実現している。このような形式はティルトローターとよばれる。アメリカのベル社とボーイング社の共同開発で、初飛行は1989年。愛称は、垂直に降下して餌(えさ)をとる習性のある鳥ミサゴ(osprey)にちなんでいる。全長17.5メートル、高さ6.7メートルで、最高速度は、2012年時点でアメリカ軍が保有する輸送用ヘリコプターの2倍以上の時速565キロメートルに達する。空中給油などによる最大航続距離は約3900キロメートル。最大収容人数は26人(乗員含む)。アメリカ国防総省は2007年から海兵隊(海兵隊での仕様名称はMV-22)、空軍(空軍での仕様名称はCV-22)、海軍(海軍での仕様名称はHV-22)に実戦配備している。
 アメリカ国防総省は2012年(平成24)から2013年にかけて、沖縄県宜野湾(ぎのわん)市の普天間(ふてんま)飛行場に、1960年代に開発されたヘリコプター機CH-46にかえてオスプレイ24機を配備した。2016年12月には、普天間飛行場所属のオスプレイが沖縄県名護(なご)市沖に墜落し、沖縄県などから「安全性に不安がある」として飛行や配備に反対する声がでている。一方、アメリカ軍は今後、横田基地(東京都)にも配備する計画である。また、日本政府は陸上自衛隊に17機を配備する方針を表明している。[矢野 武]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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