オランウータン(英語表記)Pongo pygmaeus; orangutan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オランウータン
Pongo pygmaeus; orangutan

霊長目オランウータン科。雄の頭胴長 1.4m,体重約 75kgで,類人猿類ではゴリラに次いで大型。全身赤褐色長毛におおわれる。尾はない。雄は成長すると頬部にひだのような広がりができる。単独または母子単位で樹上生活をする。昼行性で,小枝やつる草などを集めて樹上に巣をつくり,夜はそこで寝る。果実を主食とするが,木の葉,種子,鳥の卵なども食べる。妊娠期間8~9ヵ月。普通1産1子。乱獲と森林の伐採により,生息数が減少し,その絶滅が心配されている。生息地で捕獲が禁止されているだけでなく,世界各国で輸入規制が行われている。ボルネオ (カリマンタン) ,スマトラ両島にのみ分布する。

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デジタル大辞泉の解説

オランウータン(orangutan)

マレー語で、「オラン」は人、「ウータン」は森の意》霊長目ヒト科に分類される哺乳類の一。スマトラオランウータンとボルネオオランウータンの2種がある。体長110~150センチ。雄のほうが大きい。体毛は長く赤褐色、顔面は無毛。上肢は著しく長く、ほとんど樹上で生活し、木の枝を集めて寝床を作る。猩々(しょうじょう)。

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百科事典マイペディアの解説

オランウータン

orang-utanはマレー語で森の人の意。ショウジョウとも。霊長目ショウジョウ科の類人猿。雄は身長140cm前後,ほおの円盤状の隆起が目だつ。雌は115cmほどと小さく,ほおの隆起がない。ボルネオスマトラに分布。山麓の密林にすみ,樹上に枝で巣を作り,夜はそこで眠る。ドリアン,ランブータンなどの果実を食べ,単独または家族で生活する。妊娠期間約9ヵ月,1腹1子。
→関連項目キナバル[山]サル(猿)類人猿

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世界大百科事典 第2版の解説

オランウータン【orang‐utan】

ショウジョウ(猩々)とも呼ばれる。アフリカのゴリラ,チンパンジー,ピグミーチンパンジーに対して,オランウータンはアジアの唯一の大型類人猿である(イラスト)。霊長目ショウジョウ科。インドネシアのボルネオ島スマトラ島のそれぞれに生息する2亜種が区別されているが,亜種間の違いはそれほど顕著なものではない。オランウータンというのは〈森の人〉を意味するマレー語で,彼らの生息地はこの2島の熱帯降雨林に限られている。

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大辞林 第三版の解説

オランウータン【orang utan】

〔マレー語で、森の人の意〕
ショウジョウ科の哺乳類。大形の類人猿で、雄は背の高さ1.4メートルほどになる。上肢は非常に長い。全身赤褐色の長い毛で覆われるが顔は無毛。小さな群れで樹上生活をし、果実・芽などを食べる。カリマンタン島・スマトラ島の熱帯雨林にすむ。ショウジョウ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オランウータン
おらんうーたん
orang-utan
[学]Pongo pygmaeus

哺乳(ほにゅう)綱霊長目ショウジョウ科の動物。オランウータンの名は「森の人」を意味するマレー語に由来し、別名をショウジョウ(猩猩)ともいう。テナガザル類とともにアジアの類人猿Asian apesを、またアフリカの3種の類人猿とともに大形類人猿great apesを構成する。現生種はボルネオ島とスマトラ島に分布するが、中国南部などの更新世(洪積世)の地層から多くの化石が発見されている。オランウータンは、ヒトニザル上科のなかで、ヒトとアフリカの類人猿の幹から、より早い時期に分岐したと考えられている。雄の身長は約1.4メートル、体重は約70キログラムであるが100キログラムを超す例も知られている。性差が大きく、雌は40キログラム前後にしか達しない。上肢は下肢に比べて著しく長い。全身赤褐色で、まばらな長毛に覆われ、顔面は無毛で暗色。老雄は頬(ほお)から側方に広がる皮膚のひだのため顔幅が大きくみえる。巨大な喉頭嚢(こうとうのう)がのどから前胸にかけて発達している。歯の数は32本でヒトと同じであるが、雄の犬歯は強大で歯隙(しげき)が目だつ。頭蓋(とうがい)内容量は400ccと、小形類人猿のテナガザルの100ccに比し格段の開きがある。性的成熟には約10年を要し、1産1子。多雨林の樹上生活者で、めったに地上に降りることはない。地上歩行は、足の裏の外縁と手の中節背面を地面につけ、きわめて不器用である。強力な前肢を用いての腕渡り(ブラキエーション)を得意とするが、重い体重のために慎重で、動作は緩慢にみえる。毎夕、樹上に新しいベッドをつくって眠る。食性は果実食への偏りをみせ、とくにドリアンの実を好むが、木の葉、鳥の卵なども食べる。
 真猿類中唯一の、単位集団をもたない単独生活者で、とくに雄の間には強い緊張関係があって、互いに大きな距離を保って接触を避けあっており、その間を自由に行動する雌と配偶者関係を結んではまた離れるという、いたって気ままな社会をもっている。この社会を、テナガザル型のペアの雌雄を結ぶボンド(結び付き)が切れた形態であるとする説がある。子供も成長につれて母親から離れ、単独生活に入る。チンパンジーの知能が分析的であるのに対し、本種のそれは洞察的だといわれる。乱獲と森林の伐採により個体数が激減し、保護の必要が叫ばれている。[伊谷純一郎]
『J・マッキノン著、小原秀雄・小野さやか訳『オランウータンを追って――孤独な森の住人』(1977・早川書房)』

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世界大百科事典内のオランウータンの言及

【キナバル[山]】より

…山頂は花コウ岩が露出した尖峰で,周辺の緑に覆われた山とは異なる山容を示す。面積686km2がキナバル国立公園となり,鳥獣禁猟区に指定され,オランウータンの生息地としても知られる。山麓の標高1700mにあるシンパン・キナバルSimpang Kinabaluは,公園管理事務所の所在地,登山根拠地であるが,近年,高原の保養地として開発が進められ,付近は野菜生産地に変貌した。…

【シバピテクス】より

…ユーラシア大陸に分布し,小型から大型まで地理的変異がみとめられる。75年以降,中国雲南省の鮮新世中期層から,ほぼ完全な下顎骨が出土し,さらに頭骨その他の化石も多数発見され,オランウータンの祖先と考える傾向が強まっている。同時にラマピテクスとは同じ種類で,両者は雄,雌の違いにすぎず,シバピテクスは雄個体だとする意見もある。…

【猩猩】より

…現在では一般に南方に生息するオランウータンを指すが,中国の古典等に現れる猩猩は想像的要素が強く,姿の形容もさまざまである。一般には猿に似ているとされ,長髪で人の顔,人の足をし,その声は小児の泣くようであり,群れを作ってはって歩くという。…

【人類】より

…ここでは類人猿社会について,それらの人間家族との相違点を検討しておくことにしたい。現生のオランウータン科はテナガザル属の8種と大型類人猿の3属4種からなる。テナガザル類はいずれも各1頭の雌雄とその子どもからなる集団をもっている。…

※「オランウータン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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