ドイツの作曲家,教育家。ミュンヘン高等音楽学校卒業後,ドイツ各地の歌劇場指揮者を歴任,1921年にミュンヘンに戻りH.カミンスキーに師事。24年D.ギュンターと協力し,体育,舞踊,音楽のためのギュンター学校を設立,以後音楽教育にも力を注ぐ。50-55年ミュンヘン高等音楽学校主任教授,55年チュービンゲン大学,72年ミュンヘン大学から名誉博士号を授与された。オルフの主要作品はほとんど舞台を伴うものであり,音楽,言語,舞踊の統合を目ざしてみずからの劇作品を〈世界劇〉と呼ぶ。作品は,全音階的音程,ヘテロフォニー,ドローンバス,オスティナートなどを用いた素朴な様式だが,特にリズムのアクセント付けに独特の個性が見られる。代表作に舞台付カンタータ全3部の第1作《カルミナ・ブラーナ》(1937),オペラ《賢い女》(1943),また教則本として《子どものための音楽》全5巻(1950-54年に民謡や舞踊曲を収集したもの)などがある。
執筆者:佐野 光司
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ドイツの作曲家、教育家。ミュンヘンの音楽アカデミーで学んだのち、指揮者として活動。1924年ギュンターとともに、体育、舞踊、音楽のためのギュンター学校を設立。音楽と身体の動きの結合を強調した新しい総合的音楽教育システム(いわゆるオルフ・システム)の実践に努めた。また、ミュンヘンのバッハ協会の指揮者、ミュンヘン高等音楽学校の作曲科教授等を歴任。作品はほとんど劇音楽で占められている。そこでは、ことばと音と動作の一体化が目ざされ、その点でギリシア古典劇の伝統を引くものであるといえる。主要作品は、三部作をなす舞台形式によるカンタータ『カルミナ・ブラーナ』(1937)、『カトゥッリ・カルミナ』(1943)、『アフロディテの勝利』(1953)、オペラ『賢い女』(1943)、『専制王エディプス』(1959)、『プロメテウス』(1968)など。またオルフ・システムの教則本は数か国語に翻訳され、世界中で広く使用されている。
[寺田由美子]
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…いわゆるバガンテンVaganten(遍歴学生,放浪学生)文学の代表的コレクションとして文学史研究に重要な資料を供するだけでなく,一部の歌詞には譜線のないネウマneuma(中世の音符)がそえられている。C.オルフは25の詩を選び,1937年同名の舞台形式カンタータを作曲した。最新のテキスト刊行は70年西ドイツで完成。…
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