オングストローム(読み)おんぐすとろーむ(英語表記)angstrom

翻訳|angstrom

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オングストローム
おんぐすとろーむ
angstrom

長さの単位で、10-10メートルをいう。テンスメーターtenth meterともいう。国際単位系(SI)には含まれないが、その他の非SI単位として示されている。記号はÅである。原子的な測定や可視、近赤外および近紫外領域の電磁放射の波長を表すのに使われる。カドミウムの赤色線の波長から導かれたもので、体積で0.03%の炭酸ガスを含み、標準大気圧で温度が1℃の乾燥空気中でのその波長が6438.4696オングストロームと約束されている。この単位は1927年の国際度量衡総会で承認された。名称はスウェーデンの物理学者オングストレームが太陽スペクトルの波長を記載するのに用いたことにちなむ。

[小泉袈裟勝・今井秀孝 2015年4月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オングストローム
Angström, Anders Jonas

[生]1814.8.13. イグデー
[没]1874.6.21. ウプサラ
スウェーデンの物理学者。ウプサラ大学で学び,同大学の私講師 (1839) を経て,物理学教授 (58) 。 1843年以降はウプサラ天文台の観測員も兼ねた。おもな業績はスペクトル分析に関するもので,53年にはオイラーの共振理論から出発し,高熱気体が特定の波長の光を放射もし吸収もするという分光学の基礎的原理を導いた。また太陽スペクトルの分析から,太陽大気中に水素が存在することを突止め (62) ,太陽スペクトルの詳細な図を作成した (68) 。さらにオーロラのスペクトル分析にも初めて着手し,分光学の広範な基礎を築いた。長さの単位オングストロームは彼の名にちなむ。

オングストローム
angstrom

分光学,結晶学などで用いられる長さの慣用単位記号は Å 。 1Å=10-10m 。単位名は A.J.オングストロームの名にちなむ。

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化学辞典 第2版の解説

オングストローム
オングストローム
angstrom

長さの単位の一種.記号 Å.

1 Å = 0.1 mμ=0.1 nm.
原子や分子の大きさ程度の長さ,光,γ線,X線などの電磁波の波長などを表すのに広く用いられた.現在は国際単位系(SI単位)に従い,Å のかわりにナノメートル(nm=10-9 m)が用いられるようになっている.

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百科事典マイペディアの解説

オングストローム

スウェーデンの天文学者,物理学者。1858年ウプサラ大学教授。天体物理学の開拓者の一人。1868年太陽スペクトル吸収線フラウンホーファー線)を測定した際,光の波長に新単位オングストロームを用いた。

オングストローム

長さの単位。1オングストローム=0.1nm=10(-/)(10/)m。光の波長,結晶の原子配列(結晶構造)などによく用いる。→オングストローム
→関連項目X線

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精選版 日本国語大辞典の解説

オングストローム

〘名〙 (Ångström) 長さの単位。記号 Å 一〇の八乗分の一センチメートル。原子物理学、分光学でとくに用いられる。スウェーデンの物理学者オングストロームにちなむ。

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世界大百科事典 第2版の解説

オングストローム【angstrom】

長さの単位で,記号はÅまたはA。原子物理学や結晶学,分光学などで多用され,原子間隔や光のスペクトル線の波長を表したりする。1868年にスウェーデンの物理学者A.J.オングストレームが太陽スペクトル線を測定したとき,10-8cmを単位としてその波長を表したのが始まりである。のちにカドミウム赤線の波長を基に定義されたが,現在では1Å=10-10mと定義されており,国際単位系(SI)とは暫定的に併用が認められている。

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