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オーディン Oðinn; Odin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

オーディン
Oðinn; Odin

北欧神話における最高神。フリースラント人やサクソン人の神でもある。ウォーデンともいう。その名の語源は「吹く」という意味であるため風の神とされる。ボル神と女巨人ベストラの子,妻は結婚の女神フリッグ。彼はアサ神族の父でアスガルズの館グラズヘイムに住む。イグドラシルの根もとのミミルの泉で無限の知恵を得るのと引換えに片目を失ったという。宇宙を支配し,天地や人間をつくった。ルーン文字を発明した神とも伝えられる。戦の神,死人の神として死んだ勇士を自分の住む館バルハラに招いた。また有力な呪術者とも信じられた。両肩に大鴉フギンとムニンをとまらせ,2匹の狼を従え,8本足の駿馬スレイプニルを引く。英語の水曜日 Wednesdayはオーディンの日を意味する。

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百科事典マイペディアの解説

オーディン

北欧神話の主神。〈戦いの父〉〈万物の父〉などと呼ばれる。英語でウォーダンWodan,ウォーデンWoden(水曜日Wednesdayにその名が残る),ドイツ語でウォーダンWodan,ウォータンWotan。
→関連項目イグドラシルゲルマン人ニーベルングの指環バルドルフリッグヘルミズガルズ蛇ミーミルムスペルスヘイムラグナレクロキ

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デジタル大辞泉プラスの解説

オーディン

ロールプレイングゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズに登場する召喚獣。甲冑を着た騎士。初登場は1990年の「ファイナルファンタジーIII」。オーディーンとも。

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世界大百科事典 第2版の解説

オーディン【Odin】

北欧神話の主神。古北欧語ではÓðin,ドイツ語ではウォーダンWodan。早くからほとんどすべてのゲルマン人諸族の間で崇拝され,歴史的記録や地名の研究からも民族大移動期にまでさかのぼって裏づけられる。ラテン語の水曜日をあらわす〈メルクリウスの日dies Mercurii〉はゲルマン人の間では〈オーディンの日(英語でWednesday)〉と訳されている。 神としてのオーディンは,北欧のエッダスカルド詩にとくに生彩をもって叙述されているが,スノッリ・ストゥルルソンの《ユングリンガサガ》では,アースガルズを支配する常勝の王,供犠(くぎ)司祭として魔術に長じ,姿を自在に変えられる歴史的存在として描かれている。

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大辞林 第三版の解説

オーディン【Odin】

古代チュートン族の神。北欧神話の最高神。元来は嵐の神。のち軍神・農耕神・死者の神とされた。オディーン。ウォータン。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

オーディン
おーでぃん
inn

北欧神話にでてくるアサ神族の主神で、北欧の王家の祖。ボルと女巨人ベストラの子で、ビリとベーの兄。ほとんどすべてのゲルマン種族の間で崇拝され、そのようすがとくに『エッダ』と『スカルド詩』に生き生きと表されている。多くの妻たちとの間に子をもうけ、フリッグとの間にバルドル、ヨルズとの間にトール、そのほかにチュール、ヘイムダル、ヘルモッド、ブラギなどの神々がいる。オーディンは、巨人イミルの身体から全世界をつくり、また兄弟のビリ、ベーとともに2本の流木から最初の人間をつくった。天上のワルハラ宮殿に住み、目は片方だけ見えて長いひげを生やした老人のオーディンは、ぶどう酒以外は口にせず、食物はすべて2頭のオオカミであるゲリとフレキに与えてしまう。フリズスキャールブの王座に座って全世界を見はるかし、2羽のカラス、フギンとムニンが世界中を飛んで、オーディンのところへさまざまな情報をもたらす。また八本足の怪馬スレイプニルに乗り、グングニルという槍(やり)と、9夜ごとにまったく同じものを八つ生むという黄金の腕輪ドラウプニルを持つ。オーディンは自分の片方の目と引き換えに、知恵の泉ミミルの水を一口飲ませてもらい、世界を治めるのにふさわしい英知を得た。ひいきの英雄に勝利を与えるため、敵の刃をなまくらにしたり、味方に陣形を教えて敵を無力にする一方、自らのために勇士を犠牲にして、戦場で勇ましく倒れた戦士たちを、使者の乙女ワルキューリによって彼の住むワルハラ宮殿へ運ばせる。彼らはそこで、世界の終末の巨人族との決戦にそなえ武事にいそしむ。また自由に姿を変えることができるオーディンは、鳥、獣、魚、蛇などとなって一瞬のうちに遠い国へ行くことができた。巨人の国から詩の蜜(みつ)酒を盗み、神々に詩をもたらした。また、9夜風の吹きすさぶ樹(き)につり下がって槍でわが身を傷つけ、われとわが身を犠牲にしてルーン文字の秘密を学び、九つの魔法の歌を習った。世界の終末には巨人族と戦い、オオカミのフェンリルに飲み込まれてしまうが、子のビーザルがその仇(あだ)を討つ。
 このように多様な像をもつオーディンは、風神、死の神、軍神、詩と魔法の神などとされ、民俗学では夜の魔軍の長ともされる。オーディンは、北欧ではバイキング時代にスカルド詩人らの王侯賛美とともに支配者層の神として神格を高め、主神となったとする説や、インド・ヨーロッパ諸族神話のなかの主権、祭祀(さいし)、魔術などをつかさどる第一機能を受け持つ神とするなど、さまざまな説がある。水曜日を表す英語Wednesdayは「オーディンの日」の意である。[谷口幸男]

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世界大百科事典内のオーディンの言及

【エッダ】より

…内容は神話,英雄伝説,箴言(しんげん)の三つからなる。 神話詩は北欧人の奔放で壮大な宇宙解釈,神々と巨人族の凄絶な戦いと滅び,オーディントールロキなど個性あふれる神々の多彩な形姿など,尽きない興味をわれわれに与えてくれる。北欧神話ゲルマン神話や宗教を研究するうえの第1次資料といえる。…

【オオカミ(狼)】より

…神話の中では終末論的イメージをもって現れる。例えば北欧神話では,世界の終末に怪狼(かいろう)フェンリルFenrirが主神オーディンをのみ込むし,太陽や月を追いかけ,ついにこれをのみ込むスコルScllとハティHatiというオオカミが出てくる。これは日食と月食を意味していると解される。…

【肩】より

… 大プリニウスは頸がなくて左右の肩に眼がある部族のことを報告しているが(《博物誌》7巻),もちろん誤りである。ゲルマン神話中のオーディンの肩にはフギン(思考)とムニン(記憶)という2羽のカラスがとまっていて,見聞きしたすべてのことを彼の耳にささやいていた。ギリシア神話では神々の寵児タンタロスが増長の末,神々を試そうとして息子ペロプスPelopsを殺して肉料理をつくり,神々にささげた。…

【口】より

…《ヨハネの黙示録》に天使と戦って敗れ地に落ちたドラゴンの話があるが,このドラゴンが口を開いて地獄の入口となった。ウガリト神話の死の神モトの口は,上下の唇が天地に達してバアルを入れたし,ゲルマン神話のオオカミのフェンリルに立ち向かった神々の父オーディンは,天地に達するまで開くオオカミの口内に飲み込まれて死んだ。 固く結んだ口は男性的だが,円く開いた口は陰門を示唆して女性的である。…

【トネリコ】より

…あらゆる木のうちで最も大きく,全世界の上に枝をひろげる宇宙樹イグドラシルはトネリコである。主神オーディンはこの木に9夜の間,槍に傷つき,つり下がり,わが身を犠牲に捧げることで,ルーン文字を学んだという。また神は,海岸を歩いているときに見つけたトネリコから人類最初の男性アスクAskrをつくったという。…

【一つ目】より

…このように鍛冶,人食い,人身御供,地下の富などと関係づけられた一つ目は,神に仕える者として聖別された不具者や,冥界に通じる条件として目をつぶした巫女など,本来は片目であった人々の伝説化とも考えられる。超自然力や叡智の持主を片目の神とする例では,北欧神話のオーディンがある。この神は嵐を象徴する荒ぶる精霊たちの頭目ともいわれ,叡智を秘めたルーン文字を得る代償に片目をミーミルの泉に置き去る。…

【目∥眼】より

…他方,バビロニアの天地創造物語《エヌマ・エリシュ》によれば,女神ティアマトの両眼はユーフラテス川とティグリス川の源となった。 北欧神話の主神オーディンは片目である。神々の住む聖所のかたわらにそびえるトネリコの大樹イグドラシルの根もとに知恵と知識を与える泉があり,オーディンが泉の持主ミーミルに片目を抵当にしてその水を飲ませてもらったからで,その目は泉の中に入れられた(《ギュルビたぶらかし》)。…

【老人】より

…自由人はみずから死を選ぶとき忠実な召使を奉仕の報償として殺し,死者の国に連れてゆく。死者の神であるオーディンは主人が連れてくる召使しか入国を認めないとされているからである。アイスランドでは厳しい寒さと食糧不足のときには一般集会においてすべての老人,足なえ,病人に食を与えず,飢えるにまかせることをきめたという。…

※「オーディン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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