カッパドキア(英語表記)Cappadocia; Kappadokia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カッパドキア
Cappadocia; Kappadokia

小アジア東部に対する古代地名。南はトロス山脈から北は黒海まで,東はアルメニアおよびユーフラテス川から西はトゥズ湖 (塩湖) にわたるアナトリアの高原地域。一帯は凝灰岩が露出し,長期にわたる浸食や風化を受けて奇岩群を形成している。前 15~12世紀にヒッタイト王国の中心となり,前6世紀よりアケメネス朝ペルシア帝国のサトラピ (州) となった。アレクサンドロス3世 (大王) の将軍ペルディッカスにより征服された (前 322) 。のち前3世紀中頃よりいくつかの独立国家が建てられたが,17年ローマ帝国の1州として併合された。ギョレメ国立公園として整備され,1985年世界遺産の文化,自然の複合遺産に登録。

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デジタル大辞泉の解説

カッパドキア(Kapadokya)

トルコ中央部の山岳地帯。紀元前15~前12世紀にはヒッタイト王国の中心地。4~10世紀のキリスト教洞穴教会群が散在し、内部に多くの壁画がある。1985年、「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石遺跡群」という名称で世界遺産(複合遺産)に登録された。カパドシア。

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百科事典マイペディアの解説

カッパドキア

小アジア東部地方(現トルコ領)の古名。時代により地域は不定。前19世紀ころアッシリア時代に建設された植民市キュルテペは奴隷・鉱産物の大交易地で,のちヒッタイト帝国の一中心でもある。そこから出土したキュルテペ文書(カッパドキア文書)は重要史料。アケメネス朝ペルシア,セレウコス朝シリアの支配を経て後17年にローマ属州。〈カッパドキア三星〉と呼ばれるギリシア教父(大バシレイオス,ニュッサのグレゴリオス,ナジアンゾスのグレゴリオス)を輩出したキリスト教史上の一大中枢であり,中世の洞窟修道院が多く残ることでも有名。ギョレメ国立公園と一帯のカッパドキア洞窟は1985年世界遺産(自然と文化の複合)に登録された。
→関連項目カイセリギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群

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世界遺産情報の解説

カッパドキア

トルコ、アンカラ東南部にある世界遺産カッパドキア。まるで地の果てを思わせる不思議な奇岩群がひしめきあう風景は言葉を失うほどの迫力です。古代噴火によって堆積した火山灰や岩が長い歳月をかけ浸食されて生まれた風景です。初期キリスト教の時代には多くのキリスト教徒たちが迫害や弾圧を逃れ、この地下に隠れ住んだといわれ今も残る岩窟教会などがその歴史を物語っています。地下8階にもなるという迷路のような地下都市デリンクユ、未だ研究が続けられている地下都市カイマクル、岩窟教会を博物館にしたギョレメ野外博物館などが見どころ。

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世界大百科事典 第2版の解説

カッパドキア【Cappadocia】

トルコ東部地方の古代地名。範囲は時代によって違いがあるが,東はユーフラテス川を境にアルメニア地方に接し,西はトゥズ湖,南はトロス山脈によってキリキア地方と接し,北は黒海に及ぶ。ただしローマ時代以降,黒海に臨む北部はポントス(ポントゥス)地方として通例カッパドキアには含めない。アナトリア高原に当たり,冬の厳しい寒さと夏の乾燥のため農耕に適せず,牧畜がおもな生業となっている。紀元前2千年紀にはヒッタイト人に支配され,前1200年ころヒッタイト帝国が滅びると,フリュギア人,のちキンメリア人が侵入した。

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大辞林 第三版の解説

カッパドキア【Cappadocia】

トルコ中央部地方の古代地名。紀元前一五~前一二世紀にはヒッタイト王国の中心となった。六~一三世紀の洞窟修道院が多数残る。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カッパドキア
かっぱどきあ
Cappadocia

小アジア東部の高原地帯(現在のトルコ東部)の古代地名。南はトロス山脈、北は黒海、東はアルメニアおよびユーフラテス川、西はトゥズ湖に接している。ただし北部はカッパドキア・ポントゥスまたは単にポントゥス、中部と南部は大カッパドキアとよばれるようになった。紀元前15~前12世紀にはヒッタイト王国の中心となり、前6世紀よりアケメネス朝ペルシア帝国のサトラピ(州)となった。アレクサンドロス大王の征服後、前301年独立王国が建設されたが、しだいにローマの勢力下に置かれ、紀元後17年ローマ帝国にその一州として併合された。[秀村欣二]

世界遺産の登録

1985年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群」として世界遺産の複合遺産に登録された(世界複合遺産)。[編集部]

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