カブウェ(その他表記)Kabwe

デジタル大辞泉 「カブウェ」の意味・読み・例文・類語

カブウェ(Kabwe)

ザンビア中央部の都市。旧称ブロークンヒル。首都ルサカの北約120キロメートルに位置し、鉄道で結ばれる。20世紀初頭より鉛・亜鉛などを産し、鉱業都市として発展。1921年、ブロークンヒル鉱山において旧人ホモローデシエンシス(カブウェ人)の化石が発見された。

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改訂新版 世界大百科事典 「カブウェ」の意味・わかりやすい解説

カブウェ
Kabwe

南部アフリカのザンビア共和国中央部,首都ルサカの北方約120kmにある鉱業都市。人口17万0387(2000)。鉛,亜鉛,バナジウムなどを主とする地下資源が豊富で,1903年にそれらの資源が発見され,20年代から採掘が開始され,その中心地として都市が形成された。かつてブロークン・ヒルBroken Hillという地名で知られていたが,それはオーストラリアのブロークン・ヒル鉱山と地質的に類似していたからだという。ザンビアの農業地帯の農産物集散地でもあり,ジンバブウェに至る鉄道,道路網などによって交通要衝であり,空港も整備されている。
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カブウェは都市の名称だが,1921-25年に近くにあるブロークン・ヒル鉱山から中期更新世の人骨が見つかったため,その遺跡と人骨の名称になった。ザンビアはかつてローデシアと呼ばれていたので,発見当初,人骨は新種Homo rhodesiensis(通称ローデシア人)とされた。現在は,ホモ・ハイデルベルゲンシスに含まれるが,改めてホモ・ローデシエンシスを復活させる意見もある。人骨は,下顎骨以外はほぼ完全な男性の頭骨と,同一個体とみなされる脛骨,さらに別個体の四肢骨を含み,その頭骨(Broken Hill 1)がホモ・ローデシエンシスの模式標本である。頭骨は,眼窩上隆起が巨大で,額が傾斜し,顔面が大きく,前方に突出するので,原人と似た印象である。しかし,頭蓋腔容積(脳容積より10%ほど大きい)は1280mlもあり,顎関節は小さめで,とくに頭蓋底前部が短縮しているので,旧人とみなせる。四肢骨は大きく頑丈で,身長は180cmを優に超えたと推測されている。旧人としては珍しく,虫歯と歯根膿瘍が多く,左側頭骨乳突部にはそれに起因するといわれる化膿性の疾患の痕がある。また,左側頭骨鱗部には外傷によると思われる小さな孔が開いていている。一緒に見つかった動物化石は剣歯ネコや頸の短いキリンなど絶滅種を含み,中期更新世に相当する。近くで見つかった石器には,ハンド・アックスはないが,両面石器が含まれ,前石器時代あるいは中石器時代に属すると考えられている。年代は,12万年前より古いことは確かだが,どれくらい古いかわからなかった。最近,カブウェ頭骨と形態的に類似したエチオピアのボド頭骨が約60万年前と推定されたので,それに近い可能性がある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カブウェ」の意味・わかりやすい解説

カブウェ
Kabwe

旧称ブロークンヒル Broken Hill。ザンビア中部,同国最古の鉱業都市。セントラル州の州都。ルサカ北方約 90km,標高 1180mの高地に位置。鉱産資源に富み,特に鉛,亜鉛,バナジウムの産出が多い。鉱床は 1903年に発見され,開発が進む。鉄道交通の要衝。周辺はタバコ,トウモロコシを主とする農業地帯で,それらの集散地でもある。 21年,付近でローデシア原人の化石が発見された。国内空港がある。人口 16万 6519 (1990推計) 。

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百科事典マイペディア 「カブウェ」の意味・わかりやすい解説

カブウェ

ザンビア中部,ルサカの北約100kmにある鉱業都市。旧名ブロークン・ヒルを1967年に改名。標高約1180mの高地にあり,鉛,亜鉛,マンガン,ビスマス,金,鉄鉱などを産する。鉱物資源は1903年に発見された。農産物の集散地,ジンバブエへの交通の要地でもある。20万2000人(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「カブウェ」の意味・わかりやすい解説

カブウェ
かぶうぇ
Kabwe

アフリカ中南部、ザンビア中央部にある鉱業都市。首都ルサカと同国北部の産銅地帯を結ぶザンビア鉄道の中間に位置する。旧称ブロークン・ヒル。人口21万3800(2002推計)。中部州の州都でもある。植民地時代にブロークン・ヒル炭鉱で栄えた。ザンビア鉄道の本部もある。

[林 晃史]

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