ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カマイルカ」の意味・わかりやすい解説
カマイルカ
Lagenorhynchus obliquidens; Pacific white-sided dolphin
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歯クジラ亜目マイルカ科の哺乳類。北太平洋の温帯域に多い吻(ふん)の短い小型イルカ。成体で2.2~2.3mに達する。背面は黒褐色で,体側から腹面にかけて白い。口角から胸びれ基部,肛門を結ぶ黒条がある。前頭部は細くのび,吻に連なる。吻は短いが,前頭部とは溝でへだてられ,境は明りょうである。歯は上下左右それぞれ23~33本。体のほぼ中央に大きな背びれがあり,高さは体長の9%前後,後縁は鎌の刃状に灰白色なのでこの名がある。成熟した雄では背びれは後方にいちじるしく湾曲し,先端が垂れ下がる。日本近海では東シナ海,潮岬~オホーツク海南部に分布する。夏の北太平洋の沖合には北緯41~47度に帯状に分布している。1m前後で生まれ,1年ほど乳を飲み,雌雄とも8~9歳で性成熟に達する。数十~数百頭の群れをなす。スジイルカと同様成長段階によって,別の群れをなして生活するらしい。アジ,サバ,イカなどを食べる。第2次世界大戦後の一時期を除き漁業対象とはなっていない。
執筆者:粕谷 俊雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱クジラ目マイルカ科のハクジラ。体長2.4メートル、体重130キログラムぐらいになり、日本近海に多く、ときに数百頭の群れをなして回遊する。背びれの後縁が鎌(かま)の刃のように白くみえることからこの名がある。体の背面は黒色、灰色の体側と白い腹面との間に黒色の一線があり、くちばしが非常に短いのが特徴である。追い込み網で捕獲され、食用になるほか、水族館で飼育され、動作は敏速でよくジャンプする。歯は上下各列に23~33本。脊椎(せきつい)骨数は73~78個である。
[片岡照男]
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