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カワード カワードCoward, Sir Noel Pierce

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

カワード
Coward, Sir Noel Pierce

[生]1899.12.16. ミドルセックス,テディントン
[没]1973.3.26. ジャマイカ
イギリスの劇作家,俳優。幼時から舞台に立ち,20歳代初めには劇作にも進出。ほかに演出,作詞,作曲など活動範囲は多方面に及び,作品も悲劇やオペレッタまで含むが,最も得意とするのは『花粉熱』 Hay Fever (1925) ,『私生活Private Lives (30) などのように,複雑な男女の関係を軽妙洒脱せりふで描いた喜劇。これらは不道徳と非難される一方,風習喜劇の伝統を継ぐものとして高く評価された。ほかに『陽気な幽霊』 Blithe Spirit (41) が有名。しばしば自作の舞台に立ち,また小説や自伝も書いた。 1970年,サーの称号を受ける。

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百科事典マイペディアの解説

カワード

英国の俳優,劇作家。軽快な風俗喜劇の達人でミュージカルレビューの作曲もある。《花粉熱》(1925年),《陽気な幽霊》《幸福な種族》,映画《逢びき》(1946年)とその原作《静物画》など多作。
→関連項目リーン

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世界大百科事典 第2版の解説

カワード【Noël Pierce Coward】

1899‐1973
イギリスの俳優,劇作家。多芸多才と多作,豊かな機知で有名。子役として舞台に立ち,若い頃から劇作に進んでしばしば自ら演出や主演を兼ねた。作品は喜劇,メロドラマミュージカルレビューなど多方面にわたるが,最も有名なものは有閑階級の乱れた男女関係を乾いた筆致で描いた《花粉熱》(1925),《私生活》(1930),《生活の設計》(1933),《陽気な幽霊》(1941),《現在の笑い》(1942初演)などの風習喜劇である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カワード
かわーど
Sir Nol Pierce Coward
(1899―1973)

イギリスの劇作家、俳優。少年時代から舞台に立ち、のち劇作、演出、作曲、映画シナリオ執筆、映画監督など多方面に進出。数多い戯曲は喜劇、メロドラマ、ミュージカル、レビューなど多岐にわたるが、風俗喜劇の伝統を引く洗練された喜劇がとくに高く評価されている。代表作は『花粉熱』(1925)、『私生活』(1930)など、乱れた男女関係を乾いた筆致で描いたもので、とりわけ後者は作者自ら演出と主演を兼ねて評判になった。ほかに『生活の設計』(1932)、『陽気な幽霊』(1941)、『現在の笑い』(1942)も有名。これらはいずれも簡潔で含蓄の豊かな文体と辛辣(しんらつ)な機知とに特徴がある。戯曲以外に歌曲多数、小説のほか『直説法現在』(1932)と『不定法未来』(1954)と題する2巻の自伝があり、死後の1982年に大部の日記が刊行された。1970年、サーの称号を受けた。[喜志哲雄]
『加藤恭平訳『ノエル・カワード戯曲集』全2巻(1976、1977・ジャパン・パブリッシャーズ)』

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世界大百科事典内のカワードの言及

【逢びき】より

…1946年製作。劇作家ノエル・カワードが自作の一幕物《静物画》(1936)をみずから脚色し,すでに彼の原作による《幸福なる種族》(1944),《陽気な幽霊》(1945)を撮った新鋭監督デビッド・リーンが映画化した作品。ロッセリーニの《無防備都市》(1946)やルネ・クレマンの《鉄路の闘い》(1946)など,戦火の跡もなまなましい現実を描いた当時のリアリズム映画とは対照的に,古めかしい愛の物語を激情を抑えたイギリス的な〈控えめ〉な語り口で描き,リーンは戦後イギリス映画を代表する監督の一人となった。…

【ミュージカル】より

…この時期,イギリスのミュージカル界の活気は,むしろアメリカのものの輸入によって維持されていた。その中にあってイギリスが誇ることができる作者はN.P.カワードとノベローIvor Novello(1893‐1951)の2人である。カワードは劇作家としては機知に富んだ喜劇を得意としたが,詞,曲,台本のすべてを担当した《甘辛人生》(1929),《オペレッタ》(1938),《太平洋1860年》(1946)などのミュージカルでは感傷性も表面に出している。…

【リーン】より

…イギリスの小市民的な文芸映画から国際的な超大作までをみごとにこなす〈職人的〉名匠として知られ,編集技術をマスターしたその緻密(ちみつ)な構成力がもっとも高く評価されている。記録映画,劇映画の編集から出発し,1941年,劇作家のノエル・カワードの初の製作・脚本・監督作品《われらの奉仕するところIn Which We Serve》に共同監督として招かれ,次いでカワードの製作・脚本(あるいは原作)による《幸福なる種族》(1944),《陽気な幽霊》《逢びき》(ともに1945)を撮って,第一級の監督として認められた。これらの作品で,イギリス的な日常生活をいきいきと描き出し,とくに《逢びき》は〈アダルト・ロマンス(おとなの恋愛映画)〉に新風を吹きこんだ名作となり,世界中に大きな影響を与えた。…

【レビュー】より

…イギリスのレビューは1893年の《時計の下で》に始まり,1920年代から30年代にかけて,興行師シャルロAndré Charlot(1882‐1956)が製作したスペクタクル性の強いものと,興行師コクランCharles Blake Cochran(1873‐1951)が製作した風刺的で機知に富むものとを代表とする。両方を通じて,劇作家N.P.カワードが作者,出演者として活躍した。アメリカでは1907年から二十数年にわたって興行師F.ジーグフェルドが製作した,美女のコーラスを呼びものとしたスペクタクル的なものが有名である。…

※「カワード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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