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ガウチョ gaucho

翻訳|gaucho

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガウチョ
gaucho

アルゼンチン,ウルグアイパンパスでウシの放牧に従事する牧童をさし,北アメリカでのカウボーイとほぼ同義。語源はガウディエロ (無法者の意) 。乗馬に秀で,自由奔放な流浪生活をおくった。数多くの民謡や文学作品のなかで1つの理想像としてよくモチーフにされ,ガウチョ文学が生れる。なお,今日の農村でガウチョと呼ばれている労働者は,本来のガウチョとは異質のものである。

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デジタル大辞泉の解説

ガウチョ(〈スペイン〉gaucho)

アルゼンチンなど南アメリカの草原地方のカウボーイ。

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百科事典マイペディアの解説

ガウチョ

南米のパンパの牧童。スペイン,ポルトガル系の白人および先住民グアラニー族との混血メスティソ)が多い。初めは野生化した牛の捕獲業者を指したが,のちに牧畜業に従事する労働者を指すようになった。
→関連項目エルナンデスカウボーイロサス

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世界大百科事典 第2版の解説

ガウチョ【gaucho】

アルゼンチンとウルグアイにまたがるパンパの牧童(カウボーイ)。ベネズエラやコロンビア東部ではリャネロllanero,ブラジルではガウショgaucho,チリではワッソhuasoという。パンパには16世紀半ばにスペイン人により牛馬が移入され,なかでも牛はパンパの生態条件によく適合し,野生化してその数が急増した。16~18世紀にはこの野生牛を捕らえてその皮を輸出することがパンパの主要産業となり,原野で牛を捕らえる,いわゆるバケリアvaqueríaが盛んに行われた。

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大辞林 第三版の解説

ガウチョ【gaucho】

南米のパンパ草原のカウボーイ。先住民とスペイン人の混血が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガウチョ
がうちょ
gaucho

南アメリカ南部、アルゼンチンやパラグアイの草原地帯(パンパ)でウシの放牧に従事する人々。ブラジル南部ではガウショという。牧場主(エスタンシエロ)に雇われてウシの世話、食肉および皮革の調整にあたる人々で、多くは白人開拓者と先住民の混血である。幅広の帽子にシャツ、ズボン、革のブーツ、場所によってはポンチョといった簡素な服装で、都市から遠く離れた牧場に住む。乗馬技術は秀逸で、固い粘土玉を皮でくるんだものを3個皮紐(ひも)の先に取り付けた、ウシの足元に投げ付けて絡ませる道具(ボーラ)や、鞭(むち)を用いる。北アメリカのカウボーイと同様、さっぱりとして荒っぽいが社交的な気質をもち、物質的な利益を追い求めるよりは、荒野での孤独に耐える力や、何にも束縛されない自由を愛する心を誇りとする。アルゼンチンの経済を支えてきた牧畜の担い手であった彼らは、数多くの民謡や文学作品のなかで追憶に満ちた一つの理想像としてうたわれてきた。たとえばアルゼンチンのグイラルデスの小説『ドン・セグンド・ソンブラ』(1926)がある。[木村秀雄]

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世界大百科事典内のガウチョの言及

【アサド】より

…スペイン語で焼肉一般を指すが,南アメリカのアルゼンチン,ウルグアイではとくに牛肉の焼肉を意味することが多い。パンパでは16世紀末からガウチョが野生牛を捕獲して牛皮を売ることを生業としたが,彼らは屠殺した牛の肉を野原で焼き,食用としたことからアサドの習慣が生まれた。今日でも休日になると郊外でアサドを楽しむ家族づれが多く見受けられ,両国の名物料理となっている。…

【サルミエント】より

…40年チリに再び亡命し,ジャーナリストとして健筆を振るうかたわら,19世紀のラテン・アメリカにおけるロマン主義文学の最高傑作といわれる《ファクンド――文明と野蛮》(1845)を発表した。同書はカウディーリョのファクンド・キロガの伝記という形を採りつつ,当時の独裁者ロサスを批判したものであり,国の後進性の原因をスペイン的伝統や粗野なガウチョの存在に求め,西欧移民の誘致や教育の拡充による文明化=西欧化を提唱していた。52年ロサス政権の崩壊後はこうした理念の実践に努め,57年にブエノス・アイレス市の参事官,さらに教育局長,州議会の上院議員に選出され,62年にはサン・フアン州知事となった。…

【パンパ】より

…わずかに植民者の持ち込んだ牛がパンパで自然増殖した野生牛を捕獲してその皮を輸出することが細々と行われたにすぎなかった。この野生牛の捕獲という困難な仕事がガウチョという勇敢な牛童を生むことになったのである。18世紀に入り,スペイン王室が農業に力を入れはじめるとパンパもようやく注目を集めるが,パンパが本格的に開発されるのは19世紀後半以降だった。…

【マルティン・フィエロ】より

…アルゼンチンの作家エルナンデスJosé Hernández(1834‐86)によるガウチョ文学の傑作叙事詩《マルティン・フィエロ》(1872,79)の架空の主人公。19世紀後半のパンパを舞台に波乱の一生を送ったガウチョ(牧童)のパジャドールpayador(吟遊即興詩人)が,近代化によって大土地所有制度が進む過程でガウチョたちの自由を奪う文明社会の不正に反逆するパンパの英雄,ガウチョの典型として描かれている。…

※「ガウチョ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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