ガンピ(雁皮)(読み)ガンピ(英語表記)Wikstroemia sikokiana

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ガンピ(雁皮)
ガンピ
Wikstroemia sikokiana

ジンチョウゲ科の落葉低木。西日本暖地山地に生じる。高さ 1.5mで幹は直立分枝する。葉は互生し,葉柄は短く,卵形で全縁,表裏ともに絹毛におおわれる。初夏の頃,その年に出た枝の先端に,黄色の小花を 10個ほど球状に集めてつける。萼は下部が筒形で上部は4裂し,おしべ8本,めしべ1本があって,果実は宿存萼を伴う痩果となる。樹皮の繊維を上質の和紙雁皮紙の原料とした。このため乱伐され,現在は野生のものは少い。

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百科事典マイペディアの解説

ガンピ(雁皮)【ガンピ】

本州中部〜佐賀県の暖地の山中にはえるジンチョウゲ科の落葉低木。樹皮はなめらかで,若枝や卵形の葉には白い絹毛がある。葉は互生し,卵形。初夏,若枝の先に頭状花序をつけ,淡黄色の小花が集まって開く。萼(がく)は筒形で先が4裂し,長さ約8mm,花弁はない。樹皮の繊維はきわめて強く,雁皮紙その他の和が作られる。
→関連項目唐紙鳥の子紙和紙

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世界大百科事典 第2版の解説

ガンピ【ガンピ(雁皮) Diplomorpha sikokiana (Fr.et Sav.) Honda】

日当りのよい浅山に生えるジンチョウゲ科の落葉低木で,和紙の原料植物として知られる。カミノキともいう。高さ2mぐらいで,幹の樹皮はサクラのはだに似る。細かく分枝し,毎年の新枝は前年枝の中ほどから伸びる。若枝,葉,花は絹毛を帯びる。葉は2列状に互生し,卵形で先は細まり,長さ2~6cm。5~6月ごろ枝端に10花前後の頭状花序をつける。花は花弁を欠き,淡黄色の萼筒は長さ約8mm,上縁は4裂し,筒部の内側に8本のおしべが2列につき,めしべの基部に鱗片状の花盤がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ガンピ(雁皮)
がんぴ / 雁皮
[学]Diplomorpha sikokiana Honda

ジンチョウゲ科の落葉低木。高さ約2メートル。葉は互生し、先のとがった卵形で長さ2~4センチメートル、両面に白毛が密生する。初夏、新枝の先に数個ないし10個の黄色の小花をつける。花冠状のものは萼(がく)で、先が4裂し直径約6ミリメートル、基部は筒状で長さ約1センチメートル。暖地の山中に生え、静岡県以西の本州、四国、九州北部に分布する。樹皮から靭皮(じんぴ)繊維をとり、製紙原料とする。繊維は長さ約3ミリメートル。水にさらして漉(す)いたものが雁皮紙で、淡黄色で卵の殻色のようなところから鳥の子紙ともよばれる。栽培が困難で、製紙には野生のものを利用してきたが、現在、紙の生産はごくわずかである。近縁種で、雁皮紙の原料となるものに、近畿地方以西に分布し、葉が無毛で対生するキガンピD. trichotoma Nakai、伊豆、箱根付近に分布するサクラガンピD. pauciflora Nakai et Sav.などがある。[星川清親]

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世界大百科事典内のガンピ(雁皮)の言及

【雁皮紙】より

…ガンピを原料とする紙で,楮紙(こうぞがみ)とともに和紙を代表する。数量では楮紙より劣るが,光沢のある紙で虫害が少なく,長い保存力をもつ点から高い評価を受け,料紙など高級紙に活用されてきた。…

※「ガンピ(雁皮)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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