キツネ(読み)きつね(英語表記)red fox

翻訳|red fox

日本大百科全書(ニッポニカ) 「キツネ」の意味・わかりやすい解説

キツネ
きつね / 狐
red fox
[学] Vulpes vulpes

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。アカギツネともいう。

形態

体はオオカミやジャッカルなどイヌ属Canisに似て小さく、頭胴長45~90センチメートル、尾長30~56センチメートル、体重3~14キログラム。体型はジャッカルに似るが、四肢が短く、胴が長い。頭骨はイヌ属のものより細く、吻(ふん)が細長く先がとがり、前頭洞が小さいため額が高くならず、上の犬歯は異常に細長くて先が鋭く、その先端は口を閉ざしたとき下あごの下縁に達する。目は鼻すじより低く位置し、瞳孔(どうこう)は明るい所では縦長の針状になる。耳介は三角形で先がとがり、尾は太く、横断面が円形で長く、その基部背面に黒斑(こくはん)があり、この部分の皮膚にはキツネ特有の強いにおいを出すスミレ腺(せん)という臭腺がある。指は前足に5本、後ろ足に4本あるが、地面につくのは前足の第1指以外で、どちらも4本である。第3・第4指は第2・第5指よりずっと長いために、足跡はイヌのほとんど円形のものと違って長い楕円(だえん)形をしている。足底のパッド(肉球)は小さく、周りの毛にほとんど隠れて目だたない。毛は直毛で長く、冬毛では綿毛(下毛)が密生する。毛色は変化に富み、毛皮では約7種類の色相が区別される。もっとも普通にみられるのはアカギツネ(赤色相)で、体の背面、四肢の外面、および尾の大部分が橙褐色(とうかっしょく)ないし赤褐色、吻側、頬(ほお)、下あご、頸(くび)の下面、胸、四肢の内側、および尾端が白色、耳介の後面と四肢の下部が黒色である。体の背面には淡黄褐色の差し毛が多いが、これが少ないため背面が鮮やかな紅色に近いものをベニギツネ(紅色相)という。このほか全身が黒色のクロギツネ(黒色相)、それに白い差し毛が混じるギンギツネ、白い差し毛が多いプラチナギツネ、全身白色のシロギツネ(後述するホッキョクギツネの白色相に似る)、アカギツネに似て暗色で背に十字形の黒斑があるジュウジギツネなどがある。

[今泉吉典]

分布

哺乳類のなかでオオカミとともにもっとも分布の広いものの一つで、アフリカ北部、ヨーロッパ、アジア(インド、インドシナ半島を除く大陸部と日本)、北アメリカ(合衆国の北半部以北)に分布し、北は北極海の沿岸に達する。地理的な変異が著しく、旧世界で約35亜種、北アメリカで約12亜種が区別され、日本には2亜種がすむ。

 北海道のキタキツネV. v. schrenckiは樺太(からふと)(サハリン)、南千島にも分布し、耳介長8~9センチメートル、後足長16~18センチメートル、赤色相で四肢の前面に大きな黒斑がある。本州、四国、九州のホンドギツネV. v. japonicaは耳介と後ろ足が短く、それぞれ7~7.5センチメートル、14~15センチメートル、四肢の前面の黒斑が細く、背面の毛は褐色を帯び、黄褐色の差し毛が多く、キタキツネほど美しくない。

[今泉吉典]

生態

低地から標高4500メートルの高地までの半砂漠地帯から草原、森林に至るあらゆる環境に分布し、きわめて適応力が強く、村落の近く、ときには都市にもすむ。普通単独で暮らすが、交尾期に雌雄がつがいになると、雄は生まれた子が大きくなるまで雌といっしょに暮らし、食物を運ぶ。つがいが終生続くかどうかは確認されていない。行動圏は約100ヘクタールまたはそれ以下で、そのなかには、おもに使う巣穴、補助の穴、休息所、狩り場、食物を貯蔵する穴、日光浴の場所、サインポスト(尿と糞(ふん)をする場所)などがあり、通路がそれらを結ぶ。昼間は地中に掘った巣穴か茂みの中で休み、おもに夜間に活動し、一晩に円を描いて8キロメートルぐらい歩くが、交尾期と子を育てている時期には昼間も活動する。時速48キロメートルで走り、2メートルの垣根を飛び越すことができ、泳ぎも巧みである。また、ある程度木にも登れる。巣穴は土の柔らかい、水はけのよい斜面の、低木などが覆いになっている所に自分で掘ってつくり、穴によっては何年、または何代も使う。しかし、マーモットタルバガンアナウサギ、アナグマなどの巣穴の一部を占領していっしょにすみ、あるいはそれを取り上げ、改造して使うこともある。入口から長さ10メートル以下のトンネルが地下1~3メートルの深さを走り、その奥に1室がある。入口は1個しかないこともあるが、普通数個あり、19個もあった例がある。雑食性で、昆虫、魚、カエル、鳥とその卵、小形の哺乳類、果実、ブドウそのほかの液果などを食べるが、ノネズミとウサギを食べることが多い。ノネズミを狩るときには、耳を傾けてネズミが穴から出てくるのを静かに立って待ち、草やぶに出てきたのを認めると急に高く跳躍し、前足で押さえてとらえる。ウサギを狩るときは、忍び寄り、近くから急に追いかける。また、死んだふりや病気で苦しむふりをしてウサギやカラスをおびき寄せ、あるいは頭に水草をのせて静かに泳ぎ、水に浮かぶカモに近づいてとらえるともいわれる。1日に0.5~1キログラムの餌(えさ)を食べ、満腹のときは穴を掘って獲物を入れ、土をかけて隠し、あとで掘り出して食べる。声は多様で38種類が区別されている。交尾期には雌はコン、コン、雄はギャー、ギャーと鳴く。天敵はオオカミ、オオヤマネコ、クマ、ワシ、ワシミミズクなどである。

[今泉吉典]

繁殖

交尾期は地方によって異なり、ヨーロッパ南部では12月から翌年1月、中部では1~2月、北部では2~4月であるが、北アメリカでは地域差がないといわれる。この時期には1匹の雌を数匹の雄が追い、雄どうしで激しく戦う。妊娠期間は49~55日の間で普通51~53日、1腹1~13子で普通3~5子を巣穴の中で産む。新生子は目が閉じ、灰褐色の綿毛で覆われている。目は9~14日であき、2週目ごろから固形食を食べ始める。4~5週で穴から外に出始め、8~10週で離乳するが、それまでに最低一度は危険を避けるために別の穴に移される。雌は穴の中に約1か月こもり、雄がこの間食物を運ぶ。子は3~4か月で独立し、親の行動圏から去る。このとき雌は10キロメートルほど離れるだけであるが、雄は40キロメートルまたはそれ以上離れ、394キロメートルも移動した例が知られている。いったん自分の行動圏を設けると、普通はそこから終生動かない。9~10か月で性的に成熟し、寿命は10~12年であるが、3、4歳以上になるものは少ない。

[今泉吉典]

人間生活との関係

ヨーロッパでは狂犬病を伝播(でんぱ)するといって恐れられ駆除されるほか、家禽(かきん)を殺す害獣として、あるいはスポーツとしてや毛皮をとるために狩られ、ドイツだけで年に18万頭、北アメリカでは42万頭も殺されている。また、ロシア、アラスカ、および北海道の一部地方では、人の難病をおこす寄生虫であるエキノコックスを媒介するので恐れられている。しかし一方では、ノネズミやノウサギの個体数を調節し、大発生を防ぐ働きが大きいとして、とりすぎを警戒する声も強い。

 毛皮は婦人の襟巻、コートなどに賞用される。寒冷な地方の毛皮のほうが大きく、毛も長く密なため優良で、とくにギンギツネが高価であるが、価格は流行に応じて変動が激しく、1920年ごろは1枚平均246ドルもしたのに、1972年ごろには18ドルに下落している。しかし、野生のものは品質が均等でなく傷物が多いため、養殖のものが喜ばれる。養殖はカナダ、ロシアなどで盛んで、日本でも戦前はカナダなどから種畜を輸入して盛んに行われたが、流行が変わったこともあって近年では衰微してしまった。ヨーロッパのキツネが1868年にオーストラリアに移入されたが、またたくまにほとんど全域に分布を広げ、一部の有袋類に大きな害を及ぼしている。

[今泉吉典]

近似種

イヌ科には、大形で胴が短く、四肢が長く、吻端が太く頑丈なイヌ群、それより吻端がやや細く尾が一般に太いクルペオ群、四肢と吻が短く吻端の太さは中程度で、胴が長く臀(しり)が下がっているヤブイヌ群、四肢の長さが中間で吻端が細くとがり、尾がきわめて太いキツネ群の4群(あるいは族)がある。キツネが属するキツネ群は、系統的にクルペオ群とヤブイヌ群の中間であるため、両方の群にキツネと姿が似たものがあってキツネの名でよばれている。たとえばクルペオ群には南アメリカ産のセチュラギツネ、チコハイイロギツネ、パンパスギツネ、ヤブイヌ群にはアフリカ産のオオミミギツネ、南・北アメリカ産のハイイロギツネなどがあるが、これらは本当のキツネではない。

 キツネ群にはキツネ属だけが含まれ約12種がある。体がもっとも小さく耳介の大きいのは、ヌビア砂漠からアルジェリアまでとシナイ半島およびアラビア半島の砂漠と半砂漠地帯にすむフェネックギツネV. (Fennecus) zerdaで、頭胴長36~41センチメートル、尾長18~31センチメートル、耳介は15センチメートル以上もある。毛色は砂色ないし淡赤褐色で尾端は黒色。雌雄1対とその子からなる家族で自ら掘った巣穴にすみ、夜間に出て昆虫、カタツムリ、トカゲ、小鳥、ネズミ、果実などを食べる。3~5月に1~5子を産む。6か月で成熟。寿命は飼育下で11年である。アフリカ北部、アラビア半島からアフガニスタンバルーチスターンの砂漠、半砂漠地帯にすむオジロスナギツネV. ruppelliも耳介が大きく9~12センチメートルあるが、体のわりにはフェネックギツネよりやや小さい。頭胴長40~48センチメートル、尾長30~39センチメートル。四肢が長く、尾が太くその先が白い。体の背面は赤褐色、目の周りに暗色の斑紋がある。敵に追い詰められると背を丸めて尾を上げ、肛門(こうもん)腺の分泌液をかけるといわれる。そのほかの習性は知られていない。コルドファン高原、リビア、セネガル、ナイジェリアカメルーンの砂漠地帯にすむオグロスナギツネV. pallidaはオジロスナギツネに似るが耳介は7.5センチメートル以下、体は淡い砂色で尾端が黒い。頭胴長40~50センチメートル、尾長25~38センチメートル。巣穴は地下2、3メートルの深さに数室があり、長さ15メートルに達するトンネルで結ばれている。家族群で暮らし、1腹3~4子。アフリカ南部の乾燥地帯にすむケープギツネV. chamaも砂色で尾端が黒いが、耳介は9~10センチメートルと長い。頭胴長45~55センチメートル、尾長35~40センチメートルである。

 このほか尾端の黒いものには次の5種がある。インドのベンガルギツネV. bengalensisは体が灰褐色で、頭胴長45~60センチメートル、尾長25~35センチメートル。トルキスタン、アフガニスタン、イラン、バルーチスターンの乾燥地帯にすむブランフォードギツネV. canaは体が暗い灰色で、頭胴長40~50センチメートル、尾長37~40センチメートル。アフガニスタン北部から旧ソ連南部、バイカル湖付近までの乾燥地帯にすむコサックギツネV. corsacは、夏毛が黄褐色ないし赤褐色で耳介の後面が灰色。冬毛はきわめて厚く淡灰色をしている。頭胴長50~60センチメートル、尾長25~30センチメートル。マーモットの穴にすみナキウサギを主食とする。中央アジアでは本種の優良な毛皮をとるため、イヌワシを使ってこれを狩る。北アメリカのロッキー山脈東方にある砂漠や草原にすむスイフトギツネV. veloxは体が黄灰色で、頭胴長42~54センチメートル、尾長22~31センチメートル。100メートルまでの短距離なら食肉類中で最高といわれるほど走るのが速い。走るときはジグザグに方向を変え敵の目をくらます。おもにロッキー山脈の西方にすむキットギツネV. macrotisはスイフトギツネによく似るが、小さく、耳介が大きい。頭胴長37~50センチメートル、尾長22~30センチメートルである。

 チベット、ネパールの乾燥地帯にすむチベットスナギツネV. ferrilataは尾端が白く、体が灰褐色である。頭胴長60センチメートル、尾長25センチメートル前後である。ユーラシアと北アメリカの北極地方にすむホッキョクギツネV. lagopusは耳介が短くて先が丸く、瞳孔は明るいときでも丸いままで、夏冬で毛色が変わる。夏毛は灰黒褐色であるが、冬毛には2色相がある。一つは淡青灰色ないし灰黒色、他は純白色で、毛皮では前者はアオギツネ、後者はシロギツネとよばれる。アオギツネはかつてはシロギツネより多かったが、毛皮が高価なため盛んに捕獲され、近年では数が少なくなった。本種は、夏はレミングや極地で繁殖する鳥を主食とするが、冬はそれらが姿を消すのでホッキョクグマの後をつけて食べ残しをあさり、あるいはトナカイやジャコウウシの群れの近くにいて糞や死骸(しがい)を食べる。また、海岸に打ち上げられた海獣の死骸をあさることもある。

[今泉吉典]

民俗

村里に現れ、人家にも近づく野獣で、その挙動に人々はさまざまな神秘性を感じてきた。鳴き声もなにかの前兆とされ、遠鳴きすると異変があるとか、コンコン鳴くのは吉兆で、ギャーギャー、カイカイなどと鳴くのは凶兆とかいう。また、鳴き声を聞くと不吉なことがあるとして恐れる伝えもあり、キツネには変事を予知する力があると考えていた。古くからの習俗で、平安初期の『日本霊異記(にほんりょういき)』にもみえる。奈良時代から、白いキツネをめでたいしるしとするほか、キツネが家に入ったり、異常な鳴き方をするのに注意した記録がある。

 キツネに化かされたという体験譚(たん)も多く、一般的には、道に迷わされたとか、木の葉を小判に見せられたとか、現実にありえないことを思い込まされた話が多い。キツネが人間に化ける話も豊富である。キツネが美しい女に化けて人間の妻になる話は、昔話の「狐女房(きつねにょうぼう)」としてよく知られている。『日本霊異記』には、子供を殺された母ギツネが、殺した人の子の祖母に化けて孫を連れ出し殺したという話や、狐直(きつねのあたい)と名のる家の由来譚もみえ、大力(だいりき)の女の家系であったと記されている。

 陰陽師(おんみょうじ)などの宗教家が霊的なキツネを支配しているという信仰は平安時代からあったようで、キツネの霊が憑(つ)いて異常な行動をとったり、病気になったりするという狐憑きも、宗教家の活動の影響である。狐憑きの人がイヌを恐れ、キツネを落とすのに「オイヌ様」といって、オオカミを使令(つかわしめ)とする神社からオオカミを借りてきた風習があったが、同じ信仰は『日本霊異記』にもみえる。

 キツネは稲荷(いなり)神の使者として広く知られ、田の神の使者のようにも信仰されている。種籾(たねもみ)を日本にもたらしたのはキツネだとする伝説もある。京都市伏見(ふしみ)区の稲荷大社でも、キツネを専女三狐神(とうめさんこしん)と称して三狐社に祀(まつ)っているが、社殿の後ろのキツネの穴を「オアナ様」とよんで信仰している。稲荷信仰の基本はキツネの穴にあり、田の神の祭場といわれる狐塚にも、キツネの穴のあったものがある。水田地帯にもすむため、稲の神と結び付きやすかった。西日本で、寒施行(かんせぎょう)、穴施行といって、寒中にキツネ穴へ食物を供えたのも稲荷信仰の一つで、このとき「稲荷下(おろ)し」といって行者を伴って行き、キツネにいろいろなことを問う風習もあった。また、夜に点々とともる不思議なあかりを狐火(きつねび)というが、東京都北区王子の稲荷神社の近くにあった装束榎(しょうぞくえのき)には、大晦日(おおみそか)の晩に関東中のキツネが集まってにぎわうといわれ、その狐火で翌年の豊凶を占った。

 かつては、霊的なキツネを飼育しているから栄えているという狐持ちの家があった。そこから嫁をもらうと、キツネがついてきて繁殖するとして嫌われたが、狐直のように、もとはキツネの霊力の加護を受けていることを誇りとする習慣があったのかもしれない。キツネを使役するには、身ごもった母ギツネの穴に食物を運んで手なずけるという話もある。その子供が成長すると母子で名前をもらいにきて、名をよぶと姿は見せずにその人のところにきて、さまざまな問いに答えるという。日本で名前のついたキツネが多いのは、人間とキツネとの精神的結び付きが深かったためである。

[小島瓔

説話・伝承

キツネは身近な野生動物の一つとして、世界各地の民間伝承にしばしば登場する。日本では農業神や生産の神の使いと考えられ、ヨーロッパでも穀霊の化身の一つとされる。またキツネが人間、とくに若い女性に化けるという話は中国や日本に多いが、逆にヨーロッパでは女がキツネに変身する話が多く、魔女がキツネに変身することがあるという。日本では、天気雨や夜の山野の不審火を「狐火(きつねび)」といい、またこれが多く並んだものを「狐の嫁入り」といったり、キツネノカミソリ(ヒガンバナ科)などのように、奇妙な色や形をした植物の名にキツネの語を冠しているが、フィンランドでもオーロラのことを「キツネの光」とよび、リトアニアではキツネの出現を凶兆とする。

 『イソップ物語』やフランス中世の『狐物語』にみられるように、一般にキツネは共通して悪賢い、巧知にたけた動物とされる。『狐物語』の主人公であるキツネのルナールは、悪知恵によって強者を懲らしめるが、これは日本の「吉四六(きっちょむ)話」とよく似ており、ルナールは一種のトリックスターと考えられる。善を働くとともに悪も働き、秩序の破壊者であると同時に創造者でもあるトリックスターは、他人をだますが自分もだまされるといった両義的な存在であり、対立するもの(自然と文化など)の媒介者の役割を果たす。キツネはその一典型であり、したがって神霊の化身とされたり、人間に変身したり、怪異現象と結び付けられるが、それらはこのようなキツネのもつ両義的、中間的、媒介者的役割から理解できる。

[板橋作美]

『吉野裕子著『ものと人間の文化史39 狐』(1980・法政大学出版局)』


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改訂新版 世界大百科事典 「キツネ」の意味・わかりやすい解説

キツネ (狐)
red fox
Vulpes vulpes

小型のイヌに似るが,体が細長く,四肢が短い食肉目イヌ科の哺乳類。吻(ふん)は細長くとがる。尾は太く,豊かな房毛(ふさげ)が生える。付け根近くの背面にスミレ腺と呼ばれる臭腺をもち,その部分の毛は黒い。尾の先端は白色か黒色。幅の広い大きな耳は長さ9cmに達し,先端がとがる。耳の背面と四肢の先は黒色。瞳孔は明るいところで収縮するとネコの瞳孔のように縦に細長い針状になる。体長70cm前後,尾長40cm前後。体重6~9kg。足跡は同大のイヌのそれよりも細長く,一直線上に並ぶ特徴がある。

 ヨーロッパ,アジア,北アメリカに広く分布し,オーストラリアには移入された帰化動物として生息する。多くの亜種が区別され,日本には北海道にキタキツネ(体長約77cm,尾長約42cm),本州,四国,九州にホンドギツネ(体長約70cm,尾長約37cm)が生息する。体色は生息地や個体,季節などによってさまざまであるが,日本のものは赤褐色ないし黄褐色で,赤型の色相と呼ばれる。ヨーロッパとアジア北部には,白い差毛(さしげ)の少ない鮮やかな橙色の紅型が多く見られ,北ヨーロッパと北アメリカ北部にはメラニン化の進んだ全身黒色の黒型,さらに黒色の毛に白色の差毛が混ざった銀型なども見られる。また,シベリア,カナダには肩の部分に黒色の十字の斑紋のある十字型と呼ばれる色相の個体も見られる。毛皮としての価値は紅型,銀型などが高いとされ,20世紀初頭から飼育繁殖が行われている。飼育品種の白銀色のプラチナは,白色の差毛を著しく多く改良したものである。これらの色相はアカギツネ,クロギツネ,ギンギツネ,ジュウジギツネなどと呼ばれることがある。

ふつう平地から標高1800mくらいまでの山地に多く見られるが,高山帯にもすみ,富士山の頂上に出没することもあるなど,生息域は広い。人家付近にもあんがい多くすんでいる。おもに夜活動する夜行性であるが,霧の深い日などは昼間も行動し,2~3km四方から7km四方程度の行動圏内を徘徊して食物をあさる。食物はおもにノネズミ類で,とくにハタネズミ,ヤチネズミ類を好む。ネズミを襲う際には,背のびをするように高く後脚で立ち上がり,上方からかかる独特の捕獲行動を見せる。大食で,1匹のキツネの胃から48匹のハタネズミが出てきた例がある。ほかに,ミミズ,カエル,カタツムリ,昆虫などの小動物から,大きな獲物ではノウサギ,キジ,ハクチョウなどまでとらえることがある。あまった獲物は穴を掘って埋め貯蔵する。貯蔵した獲物は食物が不足すると取り出して食べるが,貯蔵場所は1ヵ月以上の長期間にわたって正確に記憶している。秋には果実などの植物質もかなりの量を食べる。一方,天敵も多く,ワシ,タカ,フクロウ類のほかオオカミ,オオヤマネコなどがキツネをとらえる。利口で,猟犬に跡をつけられたりすると水に入ったり木に登るなどして姿をくらませたりする。鳴声はイヌよりも高く鋭い。

 巣は地中にいくつかの巣室のある巣穴を自分で掘ってつくるのがふつうであるが,アナグマやアナウサギの巣穴を利用することや人家の縁の下を利用することなどもある。ふつうイヌやオオカミのような群れはつくらず単独でくらすが,交尾期には雌の巣穴に複数の雄が同居していることがあり,しばしば雄は雌の育児活動を助ける。また,ときに同じ巣穴で2匹の雌が子を生むこともある。この場合,一つの巣穴に10~13匹の子が見られる。交尾期は12月下旬から2月にかけての冬。雌は妊娠期間51~52日で,4月ころふつう1産3~5子,ときに6子以上を生む。子は閉眼で生まれ,黒褐色ないしくり色の毛で覆われている。誕生直後の子は体重100g前後のネズミ大。10日ほどで目が開く。約1ヵ月間巣の中で過ごしたあと,ほぼ親と同じ体色になって巣から姿を現し,巣穴の出入口近くで遊ぶようになる。固形食は,はじめ胃からはきもどした半ば消化したものを与えるが,やがて口にくわえて巣に運んできたものをそのまま与えるようになる。しばしば,雄が食物を巣に運ぶなど育児の手助けをする。子は夏の終りから秋まで親とともに過ごすが,しだいに1腹子相互の攻撃性が高まり,また,親の子に対する攻撃性も高まって分散する。冬には性的に成熟する。

同属の近縁種には,チベットやネパールの標高4000mをこえる高所に生息し,著しく厚い毛皮をもつチベットスナギツネ,ザバイカルから中国東北部の北部,アフガニスタン北部までの砂漠にすむコサックギツネ,それに北アメリカのスイフトギツネなどがある。また,キツネの名がついているが,別属であるものに北アメリカのハイイロギツネ,北アフリカのフェネックギツネ,アフリカのオオミミギツネなどがある。なお,オーストラリアに生息するフクロギツネは有袋類である。
執筆者:

《説文解字》によると,キツネは妖怪の獣であるが,他方,三つの徳をもっており,色が中間色であること,体の前部が小さく後部が大きいこと,死ぬときは住んでいた丘に首を向けることだという。妖怪としてのキツネは,人間に化けて人をたぶらかしたり,火を発したりするとされ(《酉陽雑俎》巻十五などに記述),とくに魏・晋以降多くの伝説を生み,それが日本にも広がった。《鳥獣戯画》には,変化したキツネのさまざまの姿が見られる。色が黄色でそれが土の色であるところからキツネは穀神と結びつけられたようで,日本でキツネが稲荷神の使いとなったのもそれに由来するのであろう。ただし,この場合キツネは白狐(びやつこ)である。白狐は黒狐および九尾狐とともに瑞祥(ずいしよう)とされるが,黒狐や九尾狐の出現を凶兆とすることもある。《説文》のいう前小後大の形がなぜたたえられたのかは明りょうでないが,狐という漢字は鼻がとがりしっぽが太いその体型が瓜に似ているところからきたもので,瓜の形を貴んだのであろう。住んでいた丘に首を向けて死ぬのは,故郷を思う心を示すものとして中国では古来たたえられた。西方では古くギリシアの《イソップ物語》にキツネが多数登場するが,とくに目だつ性格づけはされていない。しかし中世の〈動物寓意譚(ベスティアリ)〉では,キツネは狡猾(こうかつ)な知者として説明されている。例えば空腹のとき,赤土の上に転がり血に塗れて死んだふりをし,鳥たちが寄ってきたとき,急に起き上がってつかまえて食べるといった類である。死にまねをしたキツネを棒にぶら下げて葬式行列をする場面は,キリスト教教会堂の床モザイクや壁の浮彫などにその例が少なくないが,キツネの狡知を表した別の図像に,聖職者の服装をしたキツネがニワトリたちに説教している場面があり,これは無知な人々を籠絡するペテン師を意味する。キツネは12世紀から14世紀にかけて流行したキツネを主人公とする動物話《狐物語》によって,とくに一般大衆になじみの深いものとなり,それが《イソップ物語》などとともに,教会堂浮彫や写本画において図像化された。
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キツネはノウサギやノネズミの天敵として農民にとっては有益な獣であるが,世間的には人間をたぶらかす性悪の獣という印象が広まっている。これはキツネが農耕神としての稲荷の仮の姿,または使者であり,霊獣であるという信仰が衰微していき,他方,知識人の間では中国伝来の,キツネが女に化けて人をだますという〈金毛九尾狐〉などの話が広まり,さらに仏教系の神である荼枳尼天(だきにてん)などの信仰が加わって,その霊力がしだいに妖怪的な内容をもつとイメージされるようになった結果であり,中世以来の変化の現れといえる。それ以前には,文献上でも《日本霊異記》に記された狐直(きつねのあたい)のように,霊あるキツネが人の妻となって強力な子孫を残したという伝承が恥ずるところなく旧家のあかしとして語られた。このような話は,近世に至るまで安倍晴明の出自を語る〈信田(しのだ)妻〉の系統の伝説として各地の旧家に伝えられた。

 遺跡として各地に残る狐塚,あるいは狐壇と呼ばれる場所は,古くからの水田地帯を見渡す高みにあり,昔の村人が稲作の神としてのキツネを祭った跡であろうと推定されている。近畿地方の一部に残る狐施行,あるいは狐狩りと呼ばれる,初冬にキツネの好む油揚げなどをやぶ陰などにまき歩く行事も,この狐神を饗応したなごりとも考えられている。後代にキツネを邪悪とする思想が広まると,このような霊狐を神使い,または村を守るキツネとし,人をだまし,または人にとりつくキツネはヤコ,あるいは人狐とかクダキツネなどと呼びわけ,後者は人の目につかない小型のものという考えも生まれた。これを広めたのは室町期から始まった飯綱(いづな)使いといわれる呪術者の一派ではないかと思われる。

 キツネの霊力はその年の初めに当たって,その豊凶を住民に告げるとも考えられたので,東北地方では〈狐の館(たて)〉とか〈お作立て〉と称して,農耕開始のころ気温が高まって蜃気楼のような現象が見られるのを豊凶占いとした土地もあった。

 現代のキツネ信仰は京都伏見稲荷と愛知県豊川稲荷との神仏2系統に大きく分かれるが,そのほか各地に独立の稲荷信仰の地方的中心があり,これを宣布して歩いた宗教者の痕跡を示す。ことに近世急速に発展した東日本の漁村では,農村と同じく漁業の豊凶を稲荷の使者としてのキツネに祈願する風習が広い。近世の民間薬としてキツネの胆が用いられ,頭骨が狂気治癒の祈禱(きとう)に用いられたのもキツネの霊獣視による。
狐憑き
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中国では〈狐狸〉と書けばキツネのこと。〈狸〉は野猫またはジャコウネコの類で,日本でいうタヌキと同じではない。キツネはその毛皮が〈狐裘〉として貴重視されたこともあって,野獣の中でも人間との接触も多く,俗信,伝説,文芸の方面にもしきりに登場した。キツネは漢,唐の時代から民間では神として祭られ,わけても河北,山東などの北方では民間巫女の奉ずる神,または金もうけの神として信仰された。キツネをはじめ蛇,蝟(ハリネズミ),ネズミ,黄鼠狼(イタチ)など小動物の眷族(けんぞく)神があり,俗に五大家,五大門,五大仙などと総称する。なかでもキツネは別格で〈胡仙〉と呼ばれ,これを祭る小祠(しようし)も各地にあった。キツネは猜疑心(さいぎしん)が強くて〈狐疑〉の語があるが,それだけにまた狡猾で,ついには美女に化けて人間を魅惑すると信ぜられ,これを〈狐媚〉という。あるいはその霊が人について精神異常にさせる,これを〈狐祟〉という。いわゆる狐憑きである。俗説によると,キツネは劫(こう)を経るとどくろをいただき木の葉を身に着けて月を拝すると美女に化し,人間の男と交わってその精を摂取し,修練によってついに〈紫狐〉や〈天狐〉になるといわれる。それより美女のキツネと人間の男との交情談や婚姻譚が生まれ,民間の昔話にも日本の〈信田妻〉に似た〈狐狸精〉〈狐妻〉の話が少なくない。文芸作品でも唐代小説《任氏伝》や,近世では《聊斎志異》などに,キツネが美少女に化して勉学中の書生の部屋を訪れるという類の怪異談が数多くつくられたのである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キツネ」の意味・わかりやすい解説

キツネ
Vulpes vulpes; common fox; red fox

食肉目イヌ科。体長 60~90cmで,40~60cmのふさふさした尾をもつ。体色は多くは赤褐色で,胸,腹部は白い。尾のつけ根,背部に臭腺をもち,特異な臭いを発する。雑食性で昆虫類,小型動物を捕食するほか,果実などの植物質も食べる。巣穴はいくつかの小室に分れ,入口も何ヵ所かある。ヨーロッパ,アフリカ北部,北アメリカ,インドとインドシナ半島を除くアジアに分布。日本では生息地である原野や森林が開発されるに従って,四国,本州で次第に少くなってしまった。本州,四国,九州に分布する亜種はホンドギツネ V. v. japonica,北海道産の亜種はキタキツネ V. v. schrenckiと呼ばれる。キタキツネは生息数の増加が報告されている。なお銀白色の毛色のものを特にギンギツネというが,この毛皮は最高とされ,珍重されている。

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世界大百科事典(旧版)内のキツネの言及

【稲荷信仰】より

…宗教法人で神社本庁所属の神社は全国で約8万社あるとされ,そのうちの約3万社,4割弱の神社が稲荷で占められている。その頂点にたつ神社が京都の伏見稲荷大社である。稲荷信仰の分布は全国的であるが,西日本よりも東日本の方が濃密であり,とくに関東地方では上記の数字に含まれない屋敷神としての稲荷がひじょうに多い。稲荷信仰の全国的普及は,おもに伏見稲荷をはじめとする宗教家の解説や宣伝によるものであり,一方ではそれを受容する民俗的な基盤もあった。…

【裘】より

…中国で,昔から冬の寒さを防ぐために着用した毛皮。いろいろな動物の毛皮を用いたが,狐と羔(こう)(黒い小羊)が最も有名。一般に毛の方を外に出し,歴代,裘工(きゆうこう)を置いて製作にあたらせた。裘のなかでもっとも貴重でえがたい物は狐白裘(こはくきゆう)であった。一般の狐裘は黄色であるが,これは狐のわきの下の白毛をたくさん集めて成り,軽くて暖かかった。昔,孟嘗君(もうしようくん)所有の狐白裘は値千金といわれ,鶏鳴狗盗(けいめいくとう)の故事で名高い(《史記》巻七十五孟嘗君伝)。…

【狐憑き】より

…キツネの霊が人間の体に乗り移ったとする信仰。現在でも広く各地で信じられている。…

【毛皮】より

…毛皮用に供される動物は100種以上にのぼるが,動物の希少価値,毛皮製品の使用性に応じて,その経済的価値には大きな差異を生ずる。高級毛皮としては,ミンク,キツネ,テン,チンチラ,カラクールなどがある。ミンク,キツネなどが飼養され,またメンヨウ,ヤギ,ウサギなどの家畜が多く利用されている。…

【木幡狐】より

…室町時代の御伽草子。渋川版の一つ。山城国木幡(こはた)に住む稲荷明神の使者である狐の子どものなかに,芸能すぐれ美しい末の姫がおり,きしゅ御前といった。16の年の3月末,光源氏か在原の中将かと見紛うほど容顔美麗な,三条大納言の子三位の中将が花園に立ちいでたのを稲荷山から見下ろして恋の心となり,ひとまず人間の姿に化けて一夜の契りを結ぼうと,乳人(めのと)の少納言とともに美しく化けなして都に上る。中将と偕老の契りを交わしたきしゅ御前は翌年3月若君をもうけ,大納言と北の方にも見参する。…

【荼枳尼天】より

…大母神カーリーの使婢たる鬼霊。サンスクリットでダーキニーḌākinīといい,荼枳尼,拏吉尼などと音写される。吒祇尼,吒枳尼などとも書かれる。幻力(マーヤー)を有し,夜間尸林(しりん)(墓所)に集会し,肉を食い飲酒し,奏楽乱舞し,性的放縦を伴う狂宴を現出する。人を害する鬼女として恐れられるが,手段を講じてなだめれば非常な恩恵をもたらす。タントラ仏教では彼女ら(〈母〉たち,現実には,特殊な魔術的能力を有するとされる低賤カーストの女性たち)のグループ(荼枳尼網)を,世界の究極的実在としての女性原理であり,悟りを生む知恵でもある〈般若波羅蜜〉とみなし,それと性的に瑜伽(ヨーガ,合一)することによって即身成仏の実現を期する。…

【玉水】より

…中世の小説。別名《紅葉合(もみじあわせ)》。著者,成立年未詳。花園に遊ぶ姫君の姿をひと目見て恋に落ちた狐は,身を人間の女子に変えて,その姫に仕えるようになり,名を〈玉水の前〉と付けられる。玉水には,犬を嫌うなど奇妙な振舞いもみられたが,かなわぬ恋を忍びつつも,姫に親しく仕えていた。ある年,紅葉の美しさを競う紅葉合が開かれるにあたり,玉水は兄弟の狐にすばらしい紅葉をみつけてもらい,姫を勝利に導くが,その評判がかえって帝の知るところとなり,姫の入内が決まる。…

【玉藻】より

…中世の小説。《玉藻の前》《玉藻の草子》《玉藻の前物語》とも呼ばれる。著者,成立年不詳。謡曲《殺生石(せつしようせき)》などと同様,美女に化して院の命をねらった狐の伝説を題材としている。昔,鳥羽院の御所に玉藻の前という,天下に並びない美女がいた。何事にも精通し,院の寵愛も深かったが,院はやがて病気となった。それを陰陽頭(おんみようのかみ)安倍泰成(あべのやすなり)に占わせると,玉藻の前は,実は下野国那須野にすむ,齢八百,尾の二つある大狐で,院の病はそのせいであると言う。…

【伏見稲荷大社】より

…京都市伏見区に鎮座。伏見稲荷として知られ,単に稲荷大社ともいう。東に稲荷山を負い西に鴨川を控え,京都から伏見・淀方面に至る交通の要衝に位置する。全国3万余に上る稲荷神社の総本社で旧官幣大社。祭神は宇迦之御魂(うかのみたま)(下社),佐田彦大神(中社),大宮能売(おおみやのめ)大神(上社)の三柱を主神とし,相殿に田中大神と四大神(しのおおかみ)をまつる。もとは稲荷山上に下中上の三社があったが,のち山麓に神殿を造って移され,相殿の神とともに五座をまつることとなった。…

【野干】より

…中国文献や仏典に見える野獣。射干,射杆とも書く。狐に似て狐より小さく,群れをなして夜行する。よく木に登るので猿の一種とみなされることがある。司馬相如の《子虚賦》に,雲夢沢の密林の樹上に射干その他の鳥獣が住んでいることをうたっている。日本では狐の異名として用いられることが多い。妖狐を題材とする謡曲《殺生石》の後シテは,野干の面を着ける。《野干》という曲もあったが,今では廃曲となっている。【谷川 道雄】…

※「キツネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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