2000年に登録された世界遺産(自然遺産)。東南アジアのカリマンタン(ボルネオ)島のマレーシア領内、同島北端のサバ州にある国立公園である。この国立公園には、東南アジア最高峰のキナバル山(標高4101m)を中心とした山域があり、熱帯雨林から高山帯に至る多様な自然がある。山麓一帯はボルネオ島特有の湿地の多い熱帯雨林が広がっている。このジャングルは、南アフリカのアマゾンやアフリカ大陸に存在する熱帯雨林よりも古い時代から存在するといわれている。このため特有の動植物が多数存在している。世界最大の花ともいわれるラフレシアがその代表である。また、ボルネオ島の稀少な哺乳類、鳥類、両生類、無脊椎動物のほとんどがこのエリアを生息地としている。その中には絶滅が危惧されている多数の動物も含まれる。山域も高度の違いから、食虫植物のウツボカズラなど、特に植物が多様な垂直分布を見せている。◇英名はKinabalu Park