ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリマンジャロ山」の意味・わかりやすい解説
キリマンジャロ山
キリマンジャロさん
Mount Kilimanjaro
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タンザニア北部,ケニアとの国境に接する火山で,アルカリ岩系玄武岩を主体とする。アフリカ大陸の最高峰。キリマは〈山〉,ンジャロは〈輝く〉の意だと伝えられる。西から東へシラ山(4002m),キボ山(5895m),マウェンジ山(5270m)が並ぶ。最も古いシラ山は開析が進んで元の火山の形をとどめていないが,今でも噴気活動が認められるキボ山の山頂には,幾重にもなったカルデラがみごとである。キボ山にのみ氷河があり,南西斜面で標高4570mに達している。氷河期には南~東斜面で標高3660mにまで達していたといわれる。1848年,ドイツ人J.レープマンらが雪におおわれたこの山のことを報告してヨーロッパで話題になった。初登頂は1899年にドイツ人ハンス・マイヤーらによってなされた。南麓の都市モシの周辺一帯や東麓ではチャガ族などが川の水を引いて灌漑農業を営み,コーヒーやバナナを栽培している。周辺のサバンナ地帯ではマサイ族が牛の群を追って移動している。
執筆者:中村 和郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…この間アルプスの4000m級の高峰は全部登りつくされて,未踏峰がなくなると側稜や岩壁からのより困難なルート(バリエーションルート)からの登頂や冬季登山,案内人なしの登山などが行われるようになった。同時に新しい山々を求めカフカス,アンデスなどに目を向け,カフカスのエリブルス東峰(5621m)は1829年にK.ハシロフ,西峰(5642m)は74年イギリスのF.グローブ,アンデスの最高峰アコンカグア(当時7035m)は97年イギリスのE.A.フィッツジェラルド隊,ニュージーランドのクック(3764m)は94年,アフリカのキリマンジャロ(5895m)は1889年,アラスカのマッキンリー南峰(6191m)は1913年に初登頂された。19世紀の終りに活躍したイギリスの登山家A.F.ママリーはより困難なルートからの登山を提唱し,スポーツ登山はその困難さの中に喜びを見いだすと説き,これはママリズムとして近代のアルピニズムのおもな思想となった。…
※「キリマンジャロ山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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