ギールグッド(その他表記)Gielgud, Sir John

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギールグッド」の意味・わかりやすい解説

ギールグッド
Gielgud, Sir John

[生]1904.4.14. ロンドン
[没]2000.5.21. エールズベリー近郊
イギリスの俳優演出家。フルネーム Sir Arthur John Gielgud。ウェストミンスター・スクールロイヤル演劇アカデミーを卒業後,1921年オールド・ビック劇場の『ヘンリー5世』Henry Vに端役でデビュー。以後リア王』King Lear,『あらし』The Tempestなど多くのウィリアム・シェークスピア作品に出演し,特にハムレット役で知られた。ラジオ,テレビなどでも活躍したが,映画ではアカデミー賞助演男優賞を受賞した『ミスター・アーサー』Arthur(1981)のほか『エレファント・マン』The Elephant Man(1980)や『炎のランナー』Chariots of Fire(1981)などにも出演。自伝 "Early Stages"(1938),実践的演出論ともいうべき "Stage Directions"(1963)の著書があるほか,演技の記録としては,ロザモンド・ギルダー著 "John Gielgud's Hamlet"(1937),演出の記録としてはウィリアム・レッドフィールド著 "Letters from an Actor"(1966)がある。後者はギールグッド演出の『ハムレット』Hamlet(1964)で,ギルデンスターンを演じた著者が,友人にあてて送った書簡体の記録。1953年ナイトの称号を授与された。1994年高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。

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改訂新版 世界大百科事典 「ギールグッド」の意味・わかりやすい解説

ギールグッド
Arthur John Gielgud
生没年:1904-2000

イギリスの俳優,演出家。優雅で気品に富み,情熱を内にこめながら抑制の行き届いた芸風によって,20世紀の代表的名優の一人と目される。きめ細かな台詞術にたけ,韻文の表現に特にすぐれている。19世紀の名女優E.A.テリーの血を引く演劇一家の出身で,シェークスピア劇に多く出演し,ロミオ,リア王,《テンペスト》のプロスペローマクベスなどが当り役だが,ハムレットが最も有名。ほかにコングリーブ,シェリダン,ワイルドなどのイギリス風習喜劇やチェーホフなどの近代劇でも,台詞の微妙なひだをとらえる演技術を発揮している。またピンターやオールビーなどの現代劇にも意欲的に出演している。演出家としてはリチャード・バートン主演による《ハムレット》が代表作。演技論,回想などの著書数冊がある。映画出演も多い。1953年,演劇への貢献によってサーの称号を与えられた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギールグッド」の意味・わかりやすい解説

ギールグッド
ぎーるぐっど
Sir John Gielgud
(1904―2000)

イギリスの俳優、演出家。ロンドン生まれ。1921年に初舞台、24年のロメオ役で注目された。ノエル・カワードやイプセン作品を経て『ボルドーのリチャード』(1932)で現代劇俳優としての名声を確立する一方、オールド・ビックその他で古典劇俳優としての地位を高めた。端正な容姿、上品で柔軟な発声、明快な役づくりで、現代イギリスを代表する名優の一人。『ハムレット』をはじめとするシェークスピア劇で、無韻詩による台詞(せりふ)の語り口の美しさが高く評価され、映画にも数多く出演。1953年ナイトに叙せられた。

[中野里皓史]

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百科事典マイペディア 「ギールグッド」の意味・わかりやすい解説

ギールグッド

英国の俳優。E.A.テリーの血を引く俳優の名門筋に生まれた。シェークスピア劇で名声を確立した。悲劇を得意とするが,英国の風俗喜劇にも軽妙な演技を示した。

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