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クチナシ くちなし

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食の医学館の解説

くちなし【クチナシ】

クチナシの実は、ターメリックパプリカとならぶ、代表的な着色用スパイス。漢方では、山梔子(さんしし)と呼ばれ、解熱鎮痛剤として広く利用されています。
 クチナシには消炎や胆汁分泌(たんじゅうぶんぴつ)の調整、鎮静にすぐれた作用があります。
 そのため、頭痛、鼻血、口内炎(こうないえん)不眠症、精神不安、打ち身、出血性疾患などに効果的。
○外用としての使い方
 小麦粉、酢と練り合わせて湿布すれば、打ち身やねんざにもよく効きます。
 ただし、下痢(げり)のときには服用を避けたほうがいいでしょう。
○食品としての使い方
 クチナシの一般的な利用法としては、たくあんやきんとん、ゼリーなどの色付けです。
 この場合、干した果実を煎(せん)じて濃い黄色の液をつくり、これを着色に使います。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。食品は薬品ではありません。病気にかかったら、かならず医師の診察を受けてください。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クチナシ
くちなし / 巵子・梔子
[学]Gardenia jasminoides Ellis

アカネ科の常緑低木。センプク(蔔)ともいう。高さ1~2メートルの株立ちになり、小枝は緑色または灰緑色。葉は対生し、長楕円(ちょうだえん)形または倒卵状楕円形、長さ5~12センチメートルで毛がなく、表面に光沢があり、全縁で先が短くとがる。托葉(たくよう)は4片が合生して筒状になり茎を包み、一側が深く裂けている。6、7月、枝先に径5~8センチメートルの香りのよい白花が1個ずつ開き、のち淡黄白色に変わる。花は高坏(たかつき)形で細長い筒部が下にあり、上部は平らに開いて6、7裂する。萼筒(がくとう)は6条の隆起があり、萼片は6枚で広線形。雄しべは6本で花冠の口部につき、葯(やく)は長さ約1.4センチメートル。雌しべの花柱は棍棒(こんぼう)状、長さ3.5~4センチメートルで花外に出る。果実は液果で、倒卵形、長さ2.5~3センチメートル。上端に萼片が残っており、11、12月に黄赤色に熟す。静岡県以西の本州、四国、九州、沖縄、および中国、インドシナの暖帯、亜熱帯に分布する。広く庭木に植えられ、耐陰性があり、成長はやや速い。繁殖は実生(みしょう)、挿木、株分けによる。
 和名は、果実が熟しても口を開いて種子を散布しないので口なしの意味といわれ、また、細かい種子のある果実をナシに見立て、くちばし状の萼をクチとよび、クチを備えたナシの意味であるともいわれている。[小林義雄]

種類

多くの品種があり、総称してガーデニアとよんでいる。葉がやや小さく、花径が約5センチメートルでやや小形のものをコリンクチナシとして分けることもあるが、区別しにくい。ヤエクチナシは八重咲きで、九州熊本市に自生がある。オオヤエクチナシは花が大形の八重咲きで、葉が大きく、幅も広く、庭木に広く栽培される。フクリンクチナシは葉に白い覆輪があり、フイリクチナシは葉に黄斑(きふ)がある。マルバクチナシは葉が倒卵形で先が丸く小さい。ホソバクチナシは葉が狭葉で倒披針(とうひしん)形である。
 コクチナシvar. radicans Makinoは中国原産で、全体に小さく、幹が横にはう性質があり、葉は倒披針形、花径4~5センチメートルの八重咲きである。一重咲きのものをヒトエノコクチナシ(ケンサキ)といい、葉に斑があるものをフイリケンサキという。ヤツブサはコクチナシの石化したものである。[小林義雄]

利用

完熟した黄赤色の果実は、乾燥させて染料として用いる。日本では飛鳥(あすか)時代から食品の着色料として用いられ、また布地の黄染めにも使われた。汁または粉末を混ぜて炊いた大分県地方の黄飯(おうはん)は有名である。白い花弁は特有の甘味と香りがあり、野菜サラダの飾り付けや、刺身のつまなどに使われる。[齋藤 浩]
 漢方では果実を梔子(しし)、山梔子(さんしし)というが、これは、形が巵(し)という古代中国の大きな酒器に似ていることによるものである。薬用としては萼片(がくへん)と果皮を除いて内部だけを用いるのがよいが、一般的には果皮ごと刻んで使用する。消炎、止血、鎮静、利胆、利尿作用があるから、不眠症、黄疸(おうだん)、打ち身、出血、精神不安などの治療に用いる。民間では、粉末にして小麦粉を加え水でこね、打ち身に外用する。かつては、兵糧米の変質を防ぐために、本品の煎液(せんえき)に米を浸し、蒸して貯蔵したという。[長沢元夫]

文化史

クチナシは観賞よりも実用面が先だつ。中国では『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』(3世紀ころ)以前から薬や染料にされていた。『日本書紀』には682年に、種子島(たねがしま)よりクチナシが献上されたことが出る。花を観賞の対象にした最初の記録は『尺素往来(せきそおうらい)』(1489)である。江戸時代には花が食用にされ、中国ではお茶の香りづけに、タヒチでは花をココナッツミルクに浸し、化粧水に使う。[湯浅浩史]

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