コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

神農本草経 しんのうほんぞうきょうShên-nung-pên-ts`ao-ching

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

神農本草経
しんのうほんぞうきょう
Shên-nung-pên-ts`ao-ching

現存最古の中国本草 (薬物) 書。著者,成立年次ともに不詳であるが,後漢期頃に成立したと考えられる。 365品の物を上中下3類に分って,それぞれ名称,気味 (薬性) ,薬効などを記してある。 500年頃,陶弘景伝本を校訂してさらに各医副品 365品を追加し『校訂神農本草経』3巻を著わし,のちにさらに自注を加えた『神農本草経集注』7巻を著わした。この際『神農本草経』の本文は朱書され,追加部分は墨書されたが,以後の中国の伝統本草は,いずれも先行する本草の字句には手を加えず,批判などは注で後書する形式をとったため,古本草は散逸しても,現存する宋代の『大観本草』『政知本草』などを通じて古形を察することができる。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

百科事典マイペディアの解説

神農本草経【しんのうほんぞうきょう】

中国最古の本草書神農の名を冠するが,2―3世紀に道士たちによって編録されたらしい。4巻で365種の薬物を記載し,薬効により上薬・中薬・下薬に分類。6世紀初めに陶弘景〔456-536〕が増補・付注して《神農本草経集註》7巻を作る。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

大辞林 第三版の解説

しんのうほんぞうきょう【神農本草経】

医神神農の名を冠した中国最古の薬物書。後漢時代の作。365種の薬品を収載。500年頃、梁の陶弘景が復元編集したもの三巻が後世に伝わる。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

神農本草経
しんのうほんぞうきょう

中国最古の本草書。著者および著作年代については不明であるが、前漢末期(西暦紀元前後)と推定されている。原本は伝存せず、500年ごろに陶弘景(とうこうけい)が校定し、自注を加えて出版した『神農本草経集注』や『証類本草』中の引用文などから、その内容をうかがい知ることができる。
 1年の日数にあわせて365種の薬物を上品(じょうほん)、中品、下品の三品に分けた。上品の120種はいわゆる不老長生の薬物で、丹砂(たんしゃ)、人参(にんじん)、甘草(かんぞう)、枸杞(くこ)、麝香(じゃこう)などが含まれる。中品の120種はいわゆる保健薬で、石膏(せっこう)、葛根(かっこん)、麻黄(まおう)、牡丹(ぼたん)、鹿茸(ろくじょう)などが、下品の125種はいわゆる治療薬で、大黄(だいおう)、附子(ふし)、巴豆(はず)、桔梗(ききょう)、水蛭(すいてつ)など生理作用の激しいものが多く含まれている。
 また序文には薬の性質や用法などが的確に述べられ、民族医学としての漢方は、漢代にはすでに完成されていたことがうかがえる。個々の薬物についての記載は簡素で、気味、おもな効能、別名、生育地などが述べられており、薬物の形状や具体的な産地については触れられていない。
 後世、多くの人々が本書の再現にあたり、種種の校定本が出版されているが、いずれも細部に食い違いがある。現在もっとも信頼度の高いものは、1854年(安政1)に日本人森立之(たつゆき)が復原した校定本である。[難波恒雄・御影雅幸]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

神農本草経の関連キーワードシオン(キク科)ボタン(牡丹)竜骨(漢薬)ベンケイソウシャクヤクワレモコウガマ(蒲)リキュールヒョウタンレンギョウ平賀源内オオバコホウキギホオズキエンジュムラサキクチナシネムノキセッコクキキョウ

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

神農本草経の関連情報