クノー(英語表記)Queneau, Raymond

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クノー
Queneau, Raymond

[生]1903.2.21. ルアーブル
[没]1976.10.25. パリ
フランスの小説家詩人。パリ大学で哲学を学び,1925年頃シュルレアリスム運動に参加,グループの機関誌『シュルレアリスム革命』 (1924創刊) に協力したが,30年に脱退。小説『はまむぎ』 Le Chiendent (33) ,『きびしい冬』 Un rude hiver (39) ,『わが友ピエロ』 Pierrot mon ami (42) ,『地下鉄のザジ』 Zazie dans le métro (59) ,『青い花』 Les Fleurs bleues (65) などでは,皮肉と寛容に満ちたユーモアでさまざまな人物,ことに庶民をいきいきと描き,話し言葉を活用し造語を交えたおどけた文体はきわめて技巧的である。詩集に『樫の木と犬』 Chêne et chien (37) ,『携帯用小宇宙開闢 (かいびゃく) 論』 Petite Cosmogonie portative (50) ,『若い娘に』 Si tu t'imagines... (52) などがあり,奇想と大胆な言語実験が,純粋に古典的な伝統と結びつき,均衡を保っている。

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世界大百科事典 第2版の解説

クノー【Raymond Queneau】

1903‐76
フランスの小説家,詩人。最初シュルレアリスムの運動に加わったが,ほどなく離脱した。以後しだいに言語の問題に関心を深めて,処女小説《はまむぎ》(1933)によって日常言語書き言葉のうちに導入するとともに,数学的な世界観に支えられた独自な文学作法を確立,以後,小説《わが友ピエロ》(1942),《地下鉄のザジ》(1959),詩集《柏と犬》(1937),《運命の瞬間》(1948),一つの短いできごとを99通りの文体で書き分けた《文体練習》(1947)などの作品を発表した。

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大辞林 第三版の解説

クノー【Raymond Queneau】

1903~1976) フランスの小説家・詩人。小説形式や技法、言語への意識的取り組みなどの先駆性により評価される。小説「はまむぎ」「地下鉄のザジ」など。

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