クマリン(英語表記)coumarin

  • coumarin, coumalin, cumalin
  • 〈フランス〉coumarine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

天然にはトンカ豆やセイヨウエビラハギ (メリロート草) 中に多量に含まれている。香料として有名。人工的にはサリチルアルデヒド無水酢酸酢酸ナトリウムから合成する。融点 71℃。結晶無色針状または葉状で,水に難溶,熱水,アルコール,エーテルに可溶である。

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百科事典マイペディアの解説

ベンゼン環にα‐ピロンがついたかたちの化合物。芳香ある無色の結晶。融点71℃。トンカマメの芳香成分で,サクラの葉などにも微量含まれる。工業的にはサリチルアルデヒドまたはo‐クレゾールから合成。各種の誘導体も含め,香料として利用。殺鼠剤に使われることもある。(図)
→関連項目香料パーキン

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世界大百科事典 第2版の解説

ベンゾ‐α‐ピロンにあたり,o‐オキシケイ皮酸の分子内環状エステル(ラクトン)である。無色針状または柱状結晶。融点70℃,沸点291~302℃,昇華性がある。自然界では,芳香成分をもつクマリン植物と呼ばれるクルマバソウ,シナガワハギ,南アメリカ原産のトンカマメの種子,ジンチョウゲ,サクラの葉など100種余りの植物中に検出されている。植物体内ではクマリン酸の配糖体として液胞内に存在するが,乾燥や磨砕によってグルコシダーゼと接触すると加水分解し閉環してクマリンを生成する。

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大辞林 第三版の解説

マメ科、セリ科などの植物に含まれる芳香族化合物。無色の結晶。化学式 C9H6O2 干し草や塩漬けの桜の葉の香りの本体で、香料原料に用いられる。1868年、パーキンによって最初に合成された。
の誘導体。多くは配糖体として、と同様の植物に含まれる。有毒なものもあるが、日焼け止めや血液凝固阻止剤となるものもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

芳香族γ(ガンマ)-ラクトンであり、南米ギアナ産トンカ豆に1.5%以上含まれ、サクラの葉やモモの花にも存在している甘い、ややスパイシーな香気をもつ白色柱状結晶である。工業的にはo(オルト)-クレゾールから製造するが、高級品はトンカ豆から抽出精製する。せっけん、シャンプーなど香粧品香料として用いるが、経口毒性が指摘されたため、日本やアメリカなどでは食品香料としては使用を禁止されている。しかし、工業用めっき光沢剤としては使用されている。[佐藤菊正]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (coumarin) 天然香料の一つ。南アメリカ熱帯地方産のトンカ豆に含まれる芳香性の精分。バニラに似る。
※化粧美学(1924)〈三須裕〉「ニラ、クマリン、トルーバルサム、安息香も亦保留剤として一般に使用されます」

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化学辞典 第2版の解説

】coumarin.2H-1-benzopyran-2-one.C9H6O2(146.15).o-ヒドロキシケイ皮酸のラクトン.クローバーをはじめ各種の植物中に含まれる芳香成分.サリチルアルデヒドと無水酢酸および酢酸ナトリウムからパーキン反応により合成される.無色の結晶.融点68~70 ℃,沸点291 ℃.エタノール,熱水に可溶.希薄のときの香りは桜餅の葉を想起させ,またいくぶんベンズアルデヒドのような香気を有する.一般化粧品,食品香料として広く利用される.[CAS 91-64-5]【】coumalin,cumalin.α-ピロンに同じ.[別用語参照]ピロン

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世界大百科事典内のクマリンの言及

【ピロン】より

…融点5℃,沸点206~207℃。これにベンゼン環が縮合したベンゾ‐α‐ピロンはクマリンcoumarinといい,植物界に広く存在している。γ‐ピロンは,水,エチルアルコールに溶けやすい吸湿性結晶で,融点32℃,沸点119℃(35mmHg)。…

【ピロン】より

…カルボニル基の位置によってα‐ピロンとγ‐ピロンの2種の構造異性体がある。α‐ピロンはクマリンcoumalinともいい,一種のラクトンである。融点5℃,沸点206~207℃。…

【ラクトン】より

…β‐ラクトンから大環状ラクトンまで知られているが,γ‐ラクトンが最も安定でδ‐ラクトンがこれに次ぐ。各種の果実の中に微量に含まれるクマリンo‐オキシケイ皮酸のラクトンである。ラクトンは普通エステルに似た中性の液体で,エチルアルコール,エーテルなどの有機溶媒によく溶ける。…

※「クマリン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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