ボルボックス目クラミドモナス科の単細胞緑藻の1属。卵形で大きさは10~30μmのものが多い。先端の乳頭状突起の基部から等長の2本の鞭毛をだし,これで泳ぐ。細胞内には1個の核,葉緑体およびピレノイドがあり,体制と細胞構造から,この属の生物は緑色植物の祖先型に近いものとする考えがある。種類数が多く,記載種は100以上に及ぶ。世界各地の池,湖沼,水田,水たまりなどに生育するが,また雪中に生育するものもある。氷雪藻としてはアカユキモC. nivalis(Bauer)Willeが最もよく知られ,池沼などに生育する種としてはC.angulosa PillおよびC.basistella Pascherなどが知られる。少数ではあるが海産の種もあり,その代表としてC.reginae Ettl et Greenが挙げられる。
執筆者:千原 光雄 なお,クラミドモナスは動物学では原生動物植物性鞭毛虫綱ボルボックス目に属する。これが多数繁殖すると,明け方後数時間内に表面の水を酸素で過飽和にすることがある。クロレラとともにワムシを培養するときの餌に用いられる。
執筆者:今島 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
緑藻植物、クラミドモナス科のプランクトン性淡水藻。鮮緑色で、細長いイチゴの実を小形にしたような形状で、長い2本の鞭毛(べんもう)をもち、遊泳性のある単細胞藻。ときには鞭毛を失って不動の球体となるが、不動期でも、以前からもっている赤色の眼点をもち続け、さらに大きさも15~30マイクロメートルくらいとなるので、眼点をもたない小さいクロレラなどとは区別できる。各地の淡水池中に普遍的に発生するプランクトン性藻で、冬季以外は、いつでも出現する。
クラミドモナスは、体が縦に分裂して2個体になるという無性生殖で急速に殖えていくが、ごくまれに、2個体の合体による有性生殖も行う。この際、形態的には雌雄の識別ができない個体間で行われるため、かつてはある種の化学物質によって人工的に雌か雄かにすることができるという説も生まれた。しかしその後の研究で、それほど単純なものではないとの異説が出され、なお検討が続けられている。
[新崎盛敏]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新